レオナード・ウーリー

サー・チャールズ・レオナード・ウーリー

サー・チャールズ・レオナード・ウーリー（Sir Charles Leonard Woolley、1880年4月17日 - 1960年2月20日）は、イギリス出身の著名な考古学者であり、特にメソポタミアのウル遺跡の発掘で知られています。彼は考古学の分野において重要な役割を果たし、1935年にはその功績によりナイトの称号を授与されました。

ウーリーはロンドンのアッパー・クラプトンで牧師の息子として生まれ、サリーのインデペンデント・スクールで教育を受けた後、オックスフォード大学に進学しました。彼の考古学者としてのキャリアが始まるのは1905年で、オックスフォードのアシュモレアン博物館で補助学芸員の職に就くことになります。その後、アーサー・エヴァンズの指名を受け、ローマ時代の遺跡であるコーブリッジでの発掘に携わります。しかし、ウーリー自身は初めての考古学的実践には不安を感じていたとのことです。「私は一度も考古学的な方法を学んだことがなく、どう調査を行うのかも分からなかった」と述べた彼の言葉が印象的です。

彼は1912年から1914年にかけて、T.E.ロレンスと共にカルケミシュでヒッタイト時代の遺跡の発掘を行い、その経験は彼の考古学の視野を広げることに寄与しました。1922年には大英博物館とペンシルベニア大学の共同事業として、ウルでの発掘が始まります。そこでウーリーは王宮の墓地を発見し、考古学上非常に重要な遺物を数多く掘り出しました。特に彼の発見の中で注目されるのは、アガサ・クリスティーの小説『メソポタミアの殺人』のモチーフとなった王宮墳墓です。

ウルの発掘では、多くのシュメールの王族の墓が確認されました。ウーリーによって発見された中で特に注目されたのは女王プアビの墳墓です。この墓は他の多くの墓と比べ、完全に盗掘者の手が入っていない状態で残存していました。プアビの墓からは、彼女の名前がシュメール語で刻まれた円筒印章や豪華な頭飾りが発見され、また彼女の遺体は二人の召使とともに埋葬されており、彼女の死後に召使たちも毒を飲まされたのではないかと考えられています。ウーリーは、発見されたさまざまな副葬品からプアビの葬儀の様子を再現することができました。現在、女王の頭飾りや円筒印章はペンシルベニア大学博物館に展示されています。

その後のキャリアにおいて、ウーリーはウルの発掘を経て古代エーゲ文明とメソポタミア文明との関連性にも探求心を寄せるようになります。1937年から1939年までの間、彼はシリアの地中海沿岸にあった古代都市ティルスのアル・ミナで調査を行い、さらに1946年から1949年までアララハでの発掘に従事しました。ウーリーの考古学への情熱と成果は、彼の死後も多くの人々に影響を与え続けています。

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