レガネス

レガネス：マドリード近郊の歴史と現代が交錯する都市

レガネスは、スペイン・マドリード州に位置するムニシピオ（基礎自治体）であり、マドリード首都圏の一員として、その南南西約11kmに位置しています。歴史と現代が交錯するこの都市について、深く掘り下げてみましょう。

名称の由来

歴史家によると、「レガネス」という名前は、アラビア語の「algannet」または「alganit」（公園または果樹園）に由来するとされています。この名前が示すように、かつては緑豊かな場所であったのかもしれません。

歴史

13世紀以前からレガネス周辺には集落が存在していました。1280年には、アルフォンソ10世の時代に近隣の村落にヴィラが建設され、人々が周辺へ移り住むようになりました。その理由は公式には記録されていませんが、疫病の流行や略奪を避けるためだったと考えられています。また、人々がシルト（スペイン語でLégamo）のそばに住んだため、地名がLegumeに変わったという説もあります。その後、地名は現在のLeganésとなりました。1345年には、レガネスはマドリードの行政区域である村となりました。

伝説によれば、かつてのブタルケ村で粉屋が聖母マリアの出現に遭遇し、この地に教会を建てるよう命じられたとされています。16世紀には、レガネスに小さな礼拝堂ができました。カルロス1世の庶子であり、のちにドン・フアン・デ・アウストリアとして知られるヘロニモは、幼年時代をレガネスで過ごしました。1627年、フェリペ4世によってレガネスは町となり、レガネス侯爵家の領土となりましたが、独自の特権を保持し、侯爵家は市長を任命する権利のみを持っていました。この状態は1820年に廃止されました。地元の貴族フアン・ムーニョスは、レガネスとビリャベルデの貧民のために施療院を建設しました。彼の名はレガネスの通りやコミュニティ・センターに残っています。1775年、カルロス3世は建築家フランシスコ・サバティーニに命じて王立ワロナス連隊の本部庁舎を建設させました。この兵舎は修繕され、現在はマドリード・カルロス3世大学の校舎として使用されています。

20世紀半ばまで、レガネス経済は農業に依存していましたが、スペイン内戦では共和国政府に忠実であり、1936年にフランコ軍に占領されました。1950年代に産業が導入されると、町の状況は劇的に変化しました。マドリードに働きに出てきたエストレマドゥーラ、カスティーリャ・ラ・マンチャ、アンダルシアの人々が、手頃な価格の住宅や家賃の安い集合住宅を求めて移り住んできました。1960年代には、農業の町からマドリードのベッドタウンへと変貌を遂げました。1980年代にはカルロス3世大学が、1987年には大学付属セベーロ・オチョア病院が設立されました。

2004年4月3日、スペイン列車爆破事件の容疑者捜索のため、テロリストのアジトと目されたレガネス・ノルテ地区のアパートを公安部隊が包囲しました。特殊部隊が配置されたところで自爆テロが発生し、特殊部隊の隊員1人が死亡、数名が重傷を負いました。アパートは住民が避難しなければならないほど損傷し、後に全て壊された上で建物が再建されました。この事件後数日間、数千人の人々がテロリズムに抗議して街頭を行進しました。

人口

レガネスは、多様な背景を持つ人々が暮らす活気ある都市です。

スポーツ

サッカークラブCDレガネスの本拠地であり、市内のエスタディオ・ムニシパル・デ・ブタルケがホームスタジアムとなっています。サッカーファンにとっては見逃せない場所です。

出身者

レガネスは、多くの著名人を輩出しています。

カルロス・サストレ - 自転車ロードレース選手
ホセ・ルイス・カミネロ - サッカー選手
ダニ・カルバハル - サッカー選手
ジョエル・ロブレス - サッカー選手
ベアトリス・コラレス - バドミントン選手

姉妹都市

レガネスは、以下の都市と姉妹都市提携を結んでいます。

エガレオ、ギリシャ
ソモト、ニカラグア
アロヨ・ナランホ、キューバ
コンチャリ、チリ
パペル・パンパ、ボリビア
ラ・ゲーラ、西サハラ
ベツレヘム、パレスチナ
マカラ、エクアドル
湖州、中国
* タルギスト、モロッコ

レガネスは、歴史的な背景と現代的な発展が融合した魅力的な都市です。マドリードを訪れる際には、ぜひ足を運んでみてください。

もう一度検索