レジャー・アクティビティ・ビークル

レジャーアクティビティビークル（LAV）とは？

レジャーアクティビティビークル（LAV: Leisure Activity Vehicle）は、主に欧州で発展した小型の乗用車カテゴリーです。コンパクトなボディながら、高い天井と広々とした荷室を特徴としており、レジャーやファミリーユースに適した設計となっています。スーパーミニやサブコンパクトカーをベースに、2列または3列シートを備え、大きなバックドアを持つものが一般的です。

LAVの起源は、1977年に発表されたマトラ・シムカ・ランチョに遡ります。このモデルは、従来の小型車にはない広い室内空間と高い実用性を提供し、新たなカテゴリーの幕開けとなりました。その後、1990年代にはより安価で広々とした小型ファミリーカーを求める需要の高まりを受け、LAVは欧州市場で大きな人気を獲得しました。

LAVとMPVとの違い

LAVは、ミニMPVやコンパクトMPVとしばしば混同されますが、明確な違いが存在します。最大の相違点は、設計思想にあります。MPVは、乗客輸送を主眼に設計されているのに対し、LAVは貨客兼用車としての側面を強く持っています。つまり、乗員だけでなく、大量の荷物やレジャー用品の積載を重視した設計がなされているのです。このため、LAVはMPVよりも広い荷室空間と高い積載能力を備えていることが一般的です。

代表的なLAV車種

数多くのメーカーから様々なLAVが発売されてきましたが、特に欧州市場で人気を博した代表的なモデルを以下に挙げます。

フォード・トルネオコネクト: フォードが手がけたLAV。実用性を重視したデザインと広い室内空間が特徴です。
フォルクスワーゲン・キャディライフ: フォルクスワーゲンが製造する、人気の高いLAV。高い信頼性と質の高い仕上げが評価されています。
シトロエン・ベルランゴ: シトロエンらしい個性的なデザインと、使い勝手の良い室内空間が魅力です。
フィアット・ドブロ: フィアットの商用車ベースのLAV。広い荷室と高い積載能力が特徴です。
セヴェルLAV: セヴェルブランドの個性的なデザインが目を引くLAV。
シュコダ・ルームスター: シュコダらしい実用性とデザイン性を兼ね備えたLAV。
プジョー・パートナー: プジョーの商用車ベースのLAV。
ルノー・カングー: ルノーの個性的なデザインと高い実用性が魅力のLAV。
* オペル/ボクスホール・コンボツアー: オペルとボクスホールブランドで販売されているLAV。

LAVに関連する車種

LAVと似たコンセプトを持つ車種として、軽トールワゴンをベースに開発されたライトバンや、商用車登録ながら乗用車のような仕様を持つ軽1BOX車なども挙げられます。これらの車種は、LAVと同様に、広々とした室内空間と高い実用性を備えている点が共通しています。

しかし、日本で「レクリエーショナル・ビークル」と呼ばれるものは、本来は自走式のキャンピングカーを指す米語であり、LAVとは明確に区別されます。日本では誤用されているケースも散見されますので注意が必要です。

まとめ

LAVは、コンパクトなボディに広い室内空間と高い実用性を兼ね備えた、独特のカテゴリーの自動車です。ファミリーユースやレジャーユースに最適な一台を探している方にとって、LAVは非常に魅力的な選択肢となるでしょう。様々なメーカーから個性豊かなモデルが展開されているため、自身のニーズに合った一台を見つけることができるはずです。 今後、電動化や自動運転技術の進歩に伴い、LAVの進化にも期待が寄せられます。

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