レジー・ブラウン (ラインバッカー)

レジー・ブラウン：栄光と悲劇のアメリカンフットボール選手

レジー・ブラウン（Reggie Brown、1974年9月28日 - ）は、テキサス州オースティン出身のアメリカンフットボール選手です。NFLのデトロイト・ライオンズで1996年と1997年にラインバッカーとしてプレーしました。

生い立ちと高校時代

ブラウンは、17歳で未婚の母のもとに生まれました。レジーという名前は、母方の祖父から受け継いだものです。高校入学当初はガードとして育成されていましたが、雨の日の体育館で彼がダンクシュートを決めたのを見たコーチが、その運動能力に注目し、タイトエンドにコンバートしました。オフシーズンには、砲丸投やリレー走、短距離走などに取り組み、身体能力をさらに向上させました。高校2年生の時には、テキサス工科大学からリクルーティングを受け、その才能の片鱗を見せていました。高校3年生の1990年には、ウィッシュボーン隊形でフルバックとして起用され、多様なポジションをこなせる能力を示しました。テキサス工科大学の他にも、テキサス大学、オクラホマ大学、ネブラスカ大学からもオファーを受けましたが、彼はテキサス農工大学へ進学しました。大学では4年間先発出場し、サウスウェスト・カンファレンスのファーストチームにも選ばれるなど、スター選手としての地位を確立しました。

NFLでの活躍と悲劇

1996年のNFLドラフトで、ブラウンは1巡目全体17位でデトロイト・ライオンズに指名され、NFL選手としてのキャリアをスタートさせました。契約交渉が難航し、キャンプへの合流が遅れたことや、膝の故障もあって、最初の5試合とさらに1試合を欠場しましたが、残りの10試合には先発出場を果たしました。1997年には、ウィークサイドラインバッカーとして起用され、チーム2位となる157タックルを記録し、クリス・チャンドラーとブレット・ファーヴのパスをインターセプトして、それぞれタッチダウンを挙げました。ライオンズのディフェンス選手が1シーズンに2インターセプトリターンTDを記録したのは、1974年のレビ・ジョンソン以来の快挙でした。

しかし、1997年の第17週、ニューヨーク・ジェッツ戦で悲劇が起こりました。相手ハーフバックのエイドリアン・マレルにタックルした際に脊髄損傷を負い、意識不明となったブラウンは、17分間ポンティアック・シルバードームの人工芝の上に横たわりました。幸いにも、心肺蘇生法によって一命を取り留めましたが、緊急手術の結果、車椅子での生活を余儀なくされました。輝かしいキャリアの絶頂期に、突然の悲劇に見舞われたのです。

家族とその後

ブラウンは、未婚の母のもとに生まれました。弟のマイケル・ジョンソンもNFL入りし、ニューヨーク・ジャイアンツでセイフティとしてプレーしています。

ブラウンの事故は、NFLにおける選手の安全問題に大きな波紋を広げました。彼の事故をきっかけに、NFLは選手の安全対策を強化し、より安全なプレーを推進するためのルール改正や技術開発に力を入れるようになりました。ブラウン自身も、事故後、講演活動などを通じて、安全なスポーツの推進や脊髄損傷に関する啓発活動に積極的に取り組んでいます。

レジー・ブラウンの物語は、アメリカンフットボールの光と影、そして人間の不屈の精神を象徴するものとして、多くの人々に感動を与え続けています。

関連項目

チャック・ヒューズ - ライオンズのワイドレシーバー。試合中に急死した。
マイク・アトリー - ライオンズのガード。脊髄損傷の重傷を負った。
兄弟スポーツ選手一覧

外部リンク

通算成績と情報 NFL.com, or ESPN, or Pro-Football-Reference （英語）

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