レゾナック大分コンビナート

レゾナック大分コンビナート：日本の化学産業を支える九州の拠点

大分県大分市に位置するレゾナック大分コンビナートは、株式会社レゾナック（旧昭和電工株式会社）が運営する大規模な石油化学コンビナートです。1969年の操業開始以来、九州における石油化学産業の中核として、日本の化学産業の発展に大きく貢献してきました。

エチレンを中心とした多様な製品生産

コンビナートは、隣接するENEOS大分製油所から供給されるナフサや輸入ナフサを原料として、エチレンやプロピレンといった基本的な化学製品原料を生産しています。これらの原料は、様々な化学製品の製造に利用され、私たちの日常生活を支える多くの製品の基盤となっています。生産される主な製品には、水素、メタノール、C4留分などの基礎製品に加え、圧縮水素、アセトアルデヒド、1,3-ブチレングリコール、酢酸エチル、酢酸ビニル、エチレン酢ビエマルジョン、アリルアルコール、酢酸n-プロピルなど多岐に渡ります。

特に、エチレンプラントはコンビナートの中核をなしており、高効率な生産システムにより、年間67.5万トンものエチレンを生産しています。これは、日本の化学産業において重要な役割を果たしています。

環境への配慮と技術革新

レゾナック大分コンビナートは、環境問題への取り組みにも積極的に取り組んでいます。2008年から2010年にかけて実施された大規模な設備改造工事では、既存のナフサ分解炉7基を最新の高効率分解炉2基に更新しました。この結果、エネルギー効率が5.3%向上し、CO2排出量が年間59,000トン削減されるなど、環境負荷の低減に大きく貢献しています。

また、2010年にはカーボンナノチューブの量産設備も稼働開始し、年間400トンの生産体制を確立しました。これは、先端材料分野への進出を示すものであり、技術革新への取り組みを象徴するものです。

歴史と未来

1969年の操業開始以来、レゾナック大分コンビナートは幾度かの増設や設備更新を行い、常に進化を続けてきました。1977年には増設が完了し、1997年には新たな酢酸製造法である「酢酸新法」による新プラントが稼働開始。2006年にはレーザービームプリンター用アルミニウムシリンダー新工場が竣工するなど、時代のニーズに応じた生産体制の構築に努めてきました。

今後も、レゾナック大分コンビナートは、持続可能な社会の実現に向けて、環境保全と技術革新を両立させながら、日本の化学産業を支える重要な役割を果たしていくことでしょう。その歴史と技術力は、日本の化学産業の未来を担う重要な存在となっています。

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