レッドアリオン

レッドアリオンは、2010年2月28日に誕生した競走馬です。その馬名は、冠名とギリシャ神話の天馬アリオンに由来しています。2012年9月17日、阪神競馬場での2歳新馬戦でデビュー。デビュー戦こそ2着に終わりましたが、5戦目で初勝利を挙げ、管理する橋口弘次郎調教師にとって通算900勝目という節目の勝利をもたらしました。

3歳時には、シンザン記念5着、アーリントンカップ3着とまずまずの成績を残し、その後自己条件のレースを勝利。ニュージーランドトロフィーでは惜しくも2着、NHKマイルカップでは4着とオープン戦でも好走を見せました。しかし、その後はなかなか勝ち星に恵まれず、4歳時には準オープンに降級する経験もしました。しかし、降級初戦となった西宮ステークスを制し、再びオープンに復帰。富士ステークスでは3着に入る健闘を見せました。

5歳になり、迎えた2015年。洛陽ステークスを勝利すると、続くマイラーズカップではサンライズメジャーをクビ差抑え、重賞初制覇を成し遂げました。続く安田記念、中京記念では結果が出ませんでしたが、8月の関屋記念では逃げ切り勝ちで重賞2勝目を挙げ、兄のクラレントに続く兄弟制覇という快挙を達成しました。この年はサマーマイルシリーズでも王者に輝き、活躍を印象づけました。

その後は勝ち星から遠ざかり、橋口弘次郎調教師の定年退職に伴う厩舎解散を受け、橋口慎介調教師、さらに奥村武調教師へと転厩。去勢手術も経験しましたが、奥村厩舎所属としては一度も出走することなく、2017年6月2日付で競走馬登録を抹消されました。

競走馬を引退したレッドアリオンは、TCC Japanの「ウマシェア」対象馬となり、乗馬へと転身。新たなキャリアを歩み始めました。しかし、現役時代の去勢手術後から見られた陰嚢を気にする様子や、睾丸跡の嚢胞の腫れが悪化したため、鹿児島大学で手術を受けることになります。手術後は鹿児島大学馬術部で繋養された後、2019年には薩摩川内市の乗馬クラブMaster Horseに移動しました。

そして2023年7月24日、長年の前脚への負担からくる蹄葉炎のため、13歳でその生涯を閉じました。

レッドアリオンは、兄にリディル（デイリー杯2歳ステークス、スワンステークス）、半兄にクラレント（デイリー杯2歳ステークス、関屋記念、エプソムカップなど）、半弟にサトノルパン（京阪杯）といった活躍馬を持つ血統背景も持ち合わせていました。

華々しい勝利と惜しまれる引退、そして乗馬としてのセカンドキャリア。数々のドラマを刻んだレッドアリオンの生涯は、多くの競馬ファンに記憶されることでしょう。その輝かしい功績と、その生涯は長く語り継がれていくに違いありません。

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