レネ・バリエントス・オルトゥーニョ

レネ・バリエントス・オルトゥーニョ

レネ・バリエントス・オルトゥーニョ（1919年5月30日 - 1969年4月27日）は、ボリビアの軍人および政治家であり、20世紀の中頃におけるボリビアの政治情勢において重要な役割を果たしました。

人物背景

バリエントスはボリビア空軍の軍人としてキャリアをスタート。その後、1964年5月にビクトル・パス・エステンソロ大統領の下で副大統領に就任しました。しかし、同年11月に発生した軍事クーデターにより、エステンソロを国外に追放し、自らが「軍事評議会」の議長に就任しました。これにより、彼はボリビアの軍事政権を確立し、ボリビア革命以降のMNR（ナショナル革命運動）体制を崩壊させることになります。

冷戦時代と権力基盤

冷戦の影響を受けたバリエントスは、アメリカ合衆国からの強力な支援を受けており、特に農民層の支持を得ることで権力基盤を固めました。彼はケチュア語を理解していたため、ボリビアの保守派や反共産主義的な農民層を取り込み、その支持を受けながら統治を行いました。1966年7月には大統領選挙を実施し、自らが大統領に就任します。

バリエントスの政権下では、鉱山労働組合や左派勢力との対立が激化し、取締りが強化されました。右派勢力としての立場を強固にするため、彼はアメリカの情報機関とも連携し、ボリビア軍の軍事顧問として活動していた元ナチス親衛隊中尉のクラウス・バルビーの支援を受けるようになりました。

ゲバラ掃討作戦

バリエントス政権の象徴的な出来事の一つが、キューバの革命家チェ・ゲバラによる共産ゲリラの掃討作戦です。この作戦は成功を収め、1967年10月にはゲバラが捕えられ、処刑されるという結果を招きました。この出来事により、南米における武装ゲリラ運動は頓挫しますが、ボリビアの政情は依然として不安定な状況が続きました。

最期

バリエントスは1969年4月に、カニャ・ドン・アルケ峡谷で農民に金を配る活動を行っている最中に搭乗していたヘリコプターが墜落する事故により、命を落とします。彼の死はボリビアの政治に新たな変動をもたらし、続く政情不安の一因となりました。彼の政策や行動は、ボリビアの歴史における重要なターニングポイントとして位置づけられています。

参考文献

• - エドゥアルド・ガレアーノ 著、大久保光夫 訳『収奪された大地──ラテンアメリカ五百年』新評論（1986年9月）
• - 増田義郎 編『新版世界各国史26──ラテンアメリカ史II』山川出版社（2000年7月）

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