レモン彗星 (C/2025 A6)

レモン彗星 (C/2025 A6) の概要

レモン彗星 (C/2025 A6) は2025年1月3日にアメリカのアリゾナ州にあるレモン山天文台で発見された長周期彗星です。正式にはC/2025 A6 (Lemmon)と呼ばれ、2025年11月8日には近日点を迎える予定です。この時、彗星は太陽から約0.53AU（約7900万キロメートル）まで近づくことになります。

発見の経緯

レモン彗星の発見は、アメリカ合衆国のレモン山サーベイによる観測から始まりました。太陽からの距離が約4.5AU（約6750万キロメートル）で、見かけの明るさは約21.6等級の小さな天体として確認されました。その後、2024年11月12日にパンスターズによって撮影されたプレカバリー画像も発見され、さらに詳細な観測が行われています。

特徴

レモン彗星は非常に凝縮したコマを持ち、幅が約2.2秒角とされており、2025年2月21日にはカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡によって長さ約2秒角の短い尾が確認されるなど、興味深い観測データが得られています。発見当初の予想では、彗星の明るさは最大でも10等級程度とされていましたが、現在では最大4等級まで明るくなる可能性があるとされています。この明るさは当初の予測から約250倍の増加を示しています。

観測の進展

2025年6月から7月にかけて、レモン彗星は太陽光に遮られ一時的に見えなくなりますが、その後明け方の空に姿を現します。8月12日には約1分角の大きさで見かけの明るさが13.9等級とされ、8月19日には太陽から1.7AUの距離に近づいた際には全光度が11等級と推定されています。

その後、8月25日の画像に短い尾が映し出されることで、この彗星にさらなる注目が集まりました。明るさの変化は不確定要素が多く、観測結果によると、合を脱して地球から観測されたときの明るさが予測を上回っていることがわかっています。これは、単なる一時的な増光であるアウトバーストによるものではないと考えられています。

経路と最接近

8月にはふたご座のエリアに位置し、続いてかに座を通過、やまねこ座で観測されるなど、彗星の経路は変化に富んでいます。10月初旬にはこじし座、次いでおおぐま座に入り、10月10日には北半球の周極域に達します。10月16日にはコル・カロリに接近し、速度は1日あたり4度のペースで南東へ進みます。

レモン彗星は2025年10月21日に地球に最接近します。その際、距離は約0.60AU（約9000万キロメートル）まで近づき、見かけの明るさは3等級から4等級程度と予測されています。薄暗い空なら肉眼でも確認することができるかもしれません。また、この頃には彗星は夕焼けの空に見えるようになります。同年11月2日には天の赤道を通過すると予測されており、さらなる観測の機会を提供しています。

レモン彗星 (C/2025 A6) は、その独特な外見と特異な経路から、天文学者や愛好者の関心を集め続けることが期待されます。

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