レヴィー・ムワナワサ

レヴィー・パトリック・ムワナワサ（Levy Patrick Mwanawasa, 1948年9月3日 - 2008年8月19日）は、ザンビア共和国の政治家であり、2002年から2008年まで同国の大統領を務めました。

生い立ちと初期のキャリア

1948年、ムワナワサはザンビア北部のムフリラで、10人兄弟の2番目の子として誕生しました。ザンビア大学で法律を学び、学位を取得後、1974年から個人法律事務所で弁護士として活動を開始。1978年には独立し、自身の法律事務所を開設しました。1985年にはザンビアの訟務長官として政府に一時的に参加しましたが、翌年には再び自身の事務所に戻っています。1991年12月には、フレデリック・チルバ大統領によって副大統領に任命され、これに伴い1992年3月に法律事務所を辞任しました。

交通事故とその後

1991年12月8日、ムワナワサは深刻な交通事故に遭遇し、同乗していた補佐官が亡くなりました。ムワナワサ自身も全身に重傷を負い、南アフリカのヨハネスブルグで3ヶ月に及ぶ入院治療を受けました。この事故の後遺症により、彼の発音は不明瞭になったと言われています。

政界での台頭

1992年から1994年まで副大統領を務めたムワナワサは、政府内の不正や腐敗と闘いましたが、同僚からの抵抗に直面しました。1996年には、複数政党制民主主義運動（MMD）の大統領候補選に立候補しましたが、現職のチルバ大統領に敗れ、一時的に政界を離れました。

大統領として

2000年8月、MMDはムワナワサを2001年の大統領選挙の候補者として指名しました。2001年12月27日に行われた大統領選挙では、11人の候補者が争う激戦となりましたが、ムワナワサは29%の得票率で当選を果たしました。しかし、この選挙結果に対し、野党からは不正があったとの主張がなされ、国内外の選挙監視団からも選挙運動や投票に不正があったとの指摘がありました。最高裁判所は選挙の欠陥を認めましたが、結果を覆すものではないとして訴えを退けました。2002年1月2日、ムワナワサは大統領に就任しました。

2005年1月、ムワナワサはザンビア政府が貧困問題に十分に取り組んでこなかったことを国民に謝罪しました。当時のザンビアでは、国民の75%が1日1ドル未満で生活しているという国連の報告がありました。

2006年9月28日、ムワナワサは大統領選挙に再選を目指して立候補し、主な対立候補は愛国戦線のマイケル・サタでした。公式結果では43%の票を獲得し、10月2日に再選を果たしました。その後、新内閣を指名し、ルピヤ・バンダを副大統領に任命しました。

急逝

2008年6月29日、アフリカ連合首脳会議に出席するためエジプトのシャルムエルシェイクを訪問中に脳梗塞を発症し、緊急入院しました。その後、フランスの病院に搬送されましたが、高血圧性の脳内出血が原因で、同年8月19日にパリ市内の病院で死去しました。彼の死後、副大統領であったルピヤ・バンダが第4代大統領に昇格しました。

日本との関係

ムワナワサは、2008年5月にアフリカ開発会議に出席するため日本を訪問し、当時の福田康夫首相と会談しました。

ムワナワサ大統領は、在任中、汚職対策や経済改革に尽力し、ザンビアの発展に貢献しました。彼の急逝は、ザンビア国民にとって大きな悲しみであり、国際社会からも惜しまれました。

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