レールのあった街

『レールのあった街』は、2000年12月から2001年3月にかけてBS朝日で放送された全17回の紀行番組です。ハイビジョン制作で、廃止された鉄道路線、いわゆる「廃線」に焦点を当て、その魅力を深く掘り下げています。

番組では、廃線跡を実際に辿りながら、かつてその路線が走っていた地域の住民たちの思い出話や、貴重な当時の写真・映像を交えて紹介されます。これにより、失われた鉄道の歴史や、それが地域社会に与えた影響を鮮やかに描き出しています。

放送終了後も、その人気は衰えることなく、BS朝日にて繰り返し再放送されました。2010年9月25日までは毎週土曜23時から23時30分にリピート放送が行われ、多くの視聴者に親しまれました。さらに、CS放送のテレ朝チャンネル、ヒストリーチャンネル（2010年10月、2011年10月）、鉄道チャンネル（2012年10月～）などでも放映され、幅広い層の鉄道ファンを魅了しました。

番組を彩るテーマミュージックは、岩澤幸矢・Ohana Bandによる「Shu-Shu・Pooh」です。軽快なメロディが、廃線跡を巡る旅のノスタルジーを一層引き立てます。

各回の放送リストは以下の通りです。

第1回 - 旧国鉄 信越本線（碓氷峠区間）「アプト式から峠のシェルパへ」
第2回 - 旧国鉄 標津線「北海道道東開拓の礎」
第3回 - 草軽電気鉄道「リゾートを結んだ小さな高原鉄道」
第4回 - 大分交通耶馬渓線「渓谷に消え残る汽笛」
第5回 - 下津井電鉄「時代の潮流に消えた軽便鉄道」
第6回 - 東武日光軌道線「日光を走ったまぼろしの鉄道」
第7回 - 花巻電鉄花巻温泉線・鉛線「名湯を走った馬づら電車」
第8回 - 旧国鉄 深名線・美幸線「北の大地に消えた二つの鉄道物語」
第9回 - 旧国鉄 足尾線「C12が運んだ銅の夢」
第10回 - 北恵那交通「沿線の暮らしを支え続けた山間の小さな電車」
第11回 - 越後交通長岡線・栃尾線「田園を駆け抜けたローカル電車」
第12回 - 北丹鉄道「由良川の河川敷に消えた鉄道」
第13回 - 名古屋鉄道高富線「城下を走る路面電車物語」
第14回 - 上田交通真田傍陽線「六紋銭の街にこだました鉄道の響き」
第15回 - 静岡鉄道駿遠線「駿河湾と遠州灘を結んだ日本最長の軽便鉄道」
第16回 - 旧国鉄上山田線「消えゆくカンテラとともに」
第17回 - 尾道鉄道「潮風を運ぶ郷愁の鉄路」

2004年からはDVD化もされ、全6巻が発売されています。これにより、番組はいつでも手軽に楽しめるようになり、鉄道ファンにとっては貴重なコレクションアイテムとなっています。

『レールのあった街』は、単なる鉄道番組ではなく、失われた風景や人々の記憶を蘇らせる、心温まるドキュメンタリー作品です。廃線というテーマを通じて、鉄道が地域社会に果たした役割や、時代の変化を感じることができるでしょう。

スタッフ

ナレーター - 岡部政明
* 製作 - BS朝日・国際放映

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