ロイヤル・サブリン (戦艦・2代)

ロイヤル・サブリン：激動の戦艦の一生

イギリス海軍の戦艦ロイヤル・サブリン(HMS Royal Sovereign)は、第一次世界大戦終結後に建造されたリヴェンジ級戦艦の一隻です。同型艦をネームシップとする資料もあり、ロイヤル・サブリン級戦艦と呼ばれることもあります。愛称は「ロイヤル・ルーブル(Royal Rouble)」でした。本稿では、その波乱に満ちた艦歴を詳細に解説します。

竣工から戦間期

1913年度海軍整備計画に基づき建造が承認されたロイヤル・サブリンは、1914年1月15日にポーツマス海軍工廠で起工、1915年4月29日に進水、そして1916年4月18日に竣工、同月に就役しました。本国艦隊およびグランド・フリートに所属しましたが、第一次世界大戦における最大の海戦であるユトランド沖海戦には、機関故障のため参加できませんでした。

1930年代初頭には近代化改装が行われ、主砲の最大仰角が15度から30度に引き上げられ射程距離が延伸されました。1933年には艦尾にカタパルトが設置されましたが、1936年には撤去されています。1938年には対空攻撃力の強化のため、10.2cm単装高射砲が10.2cm連装高射砲に換装されました。また、1939年には姉妹艦ラミリーズ(HMS Ramillies)と共に箱型艦橋への改装が計画されましたが、実現しませんでした。

第二次世界大戦

第二次世界大戦勃発時、ロイヤル・サブリンは本国艦隊第二戦隊に所属していました。しかし、その低速性から、ネルソン級戦艦や高速巡洋戦艦といった主力艦が活躍する中、目立った活動は行いませんでした。

1940年、地中海艦隊に編入され、アレクサンドリアに配備されました。イタリアが参戦すると、船団護衛任務に従事。カラブリア沖海戦にも参加しましたが、低速のため戦闘にはほとんど参加できませんでした。その後、大西洋での輸送船団護衛任務を経て、1941年には東洋艦隊に編入され、インド洋に進出しました。セイロン沖海戦では、日本海軍の空母機動部隊の脅威にさらされ、マダガスカルやアフリカ東岸まで後退。その後、ケニア沖で船団護衛任務に従事しました。1943年後半には本国艦隊に復帰しましたが、まもなく予備役となり、乗組員は他の艦に転属しました。

ロイヤル・サブリン、そしてR級戦艦は、クイーン・エリザベス級戦艦に比べて小型で低速であったため、大規模な近代化改装を受けられず、太平洋戦争時点では時代遅れの戦力となっていました。

ソ連海軍への貸与と返還

1944年5月30日、[イタリア]]降伏後の艦艇貸与の一環として、ロイヤル・サブリンはソ連に貸与され、アルハンゲリスク]と改名されました。スカパ・フローでソ連海軍兵士による乗員訓練が行われ、その後、北極海での船団護衛に従事しました。ドイツ軍による[[Uボート攻撃の脅威にもさらされましたが、防雷網によって難を逃れています。

戦後、ソ連は返還を渋りましたが、1948年にイタリア戦艦ジュリオ・チェザーレがソ連に譲渡されると、ロイヤル・サブリンは1949年2月4日にイギリスに返還されました。しかし、ソ連時代の劣悪な整備状況のため、解体されることとなり、同年4月5日に売却され、5月18日にスコットランドの解体場で解体されました。

まとめ

ロイヤル・サブリンは、第一次世界大戦から第二次世界大戦にかけて活躍したイギリス海軍の戦艦です。低速という欠点もありましたが、大戦を通して様々な任務に就き、ソ連への貸与という異例の経歴も持ちます。その生涯は、激動の時代を象徴するものでした。その歴史を振り返ることは、20世紀の世界史を理解する上で重要な意味を持つでしょう。

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