クイーン・エリザベス級戦艦

クイーン・エリザベス級戦艦

クイーン・エリザベス級戦艦は、イギリス海軍に所属し、第一次世界大戦や第二次世界大戦において重要な役割を果たした超弩級戦艦のクラスです。この艦級は5隻が建造され、そのうちの3隻は改装を受け、進化を遂げました。

背景と設計

この艦級の設計は、イギリス海軍がドイツ海軍との優位を確立するために行われました。具体的には、従来の超弩級戦艦を凌駕する火力と性能を具備するため、15インチ主砲を搭載することが決定されました。この選択は、当時の海軍大臣ウィンストン・チャーチルの強力な支持を受けて実現し、艦の竣工を急ぐために未完成の主砲設計で進められました。

主要な特徴

主砲と火力

クイーン・エリザベス級は、15インチ（38.1cm）砲を初めて主砲として搭載しました。この新設計の主砲は、最大射程が22,850メートルにも達し、戦場での制圧力を大いに向上させました。その装填は自由角度装填方式を採用し、迅速な発射が可能でした。また、副砲には15.2cm速射砲を装備し、対艦火力に大きな防御力を持たせています。

航続性と機関

当艦級のもう一つの大きな特徴は、高速戦艦としての航続性を兼ね備えている点です。重油専燃式機関の導入により、艦支配するエンジン出力は75,000馬力に達し、最高速25ノットを実現しました。重油は石炭よりも燃焼効率が高く、航続距離を40%も伸ばす効果がありました。

船体構造と艦形

クイーン・エリザベス級の船体は長船首楼型を採用し、水中の浮力を確保するとともに、艦上構造物には大きな司令塔を立て、通信・統括が効率よく行えるよう設計されました。全体の艦形は安定性を保ちながらも流線形を意識したもので、特に前部に設けられた重装甲が目を引きます。

戦歴

第一次世界大戦では、主力としてユトランド沖海戦などに参加し、戦後も近代化改装を受けながら海軍の中心的存在として活躍しました。第二次世界大戦においても、地中海戦線や大西洋での作戦に投入され、数々の戦果を挙げました。ただし、戦争中には敵の攻撃を受け、艦が損傷することもありました。

近代化と変遷

戦間期には数回の近代化改装が実施され、特に重要なのはタワー型艦橋への改装です。この改装により、艦内の操作性や視認性が大幅に向上し、火力も向上しました。しかし、改装の計画は第二次世界大戦爆発により変更を余儀なくされました。

結論

クイーン・エリザベス級戦艦はイギリスの海軍力を象徴する艦級であり、その革新的な設計と長い戦歴は、当時の海洋戦争における重要な要素となりました。その強力な火力、高速力、そして長い航続力は、まさに海軍の主力艦としての役割を果たしたのです。

もう一度検索