ロイヤル・フィルハーモニック協会

ロイヤル・フィルハーモニック協会（The Royal Philharmonic Society）は、1813年にロンドン・フィルハーモニック協会（The Philharmonic Society of London）として設立された、イギリスの歴史ある音楽協会です。設立当初より、オーケストラを中心とした器楽コンサートの開催を主な目的として活動してきました。1912年に現在の名称であるロイヤル・フィルハーモニック協会に改称しました。

この協会は、数々の著名な作曲家たちに作品を委嘱し、その初演を手掛けてきたことで知られています。音楽史に燦然と輝く傑作の数々が、この協会によって世に送り出されてきました。以下に、協会が委嘱または初演した主な作品を挙げます。

ベートーヴェン: 交響曲第9番
メンデルスゾーン: 交響曲第4番『イタリア』、序曲『フィンガルの洞窟』、序曲『美しいメルジーネの物語』
サン＝サーンス: 交響曲第3番『オルガン付き』
ドヴォルザーク: 交響曲第7番、チェロ協奏曲
エルガー: 序曲『コケイン』
ドビュッシー: ピアノと管弦楽のための幻想曲
* ヴォーン・ウィリアムズ: 交響曲第6番

これらの作品は、現在も世界中で演奏され、聴衆を魅了し続けています。

また、フランスの作曲家ベルリオーズも、イギリス滞在中にこの協会のコンサートで自作を指揮した経験があります。この経験が、後に彼がパリで同様の音楽団体を設立するきっかけになったとも言われています。

なお、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団（1932年創設）とロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団（1946年創設）という、二つの著名なオーケストラが存在しますが、これらはどちらもトーマス・ビーチャムが個人で創設したものであり、ロイヤル・フィルハーモニック協会とは直接的な組織運営上の関係はありません。ただし、全くの無関係というわけではなく、前者のロンドン・フィルハーモニー管弦楽団は、1919年に協会が設立し1931年に活動停止した楽団（旧ロイヤル・フィル）が母体となっており、後者のロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団は、名称に「ロイヤル」を使用するにあたって協会からの許可を得ています。

ロイヤル・フィルハーモニック協会は、音楽の歴史に深く貢献してきた重要な団体であり、その活動は今日においても音楽界に大きな影響を与え続けています。

関連情報として、協会の公式サイトは以下になります。
The Royal Philharmonic Society（公式HP）

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