ロケットゾンデ

ロケットゾンデの概要

ロケットゾンデとは、上空約60kmまでの大気を観測するために、観測ロケットによって打ち上げられる無線機能が搭載された測定器のことです。この機器は、気象観測の分野で重要な役割を果たしており、特に高層大気の状態を把握するために使用されています。

ラジオゾンデとの違い

ロケットゾンデは、地上から気球を使って観測を行うラジオゾンデのロケット版であり、ラジオゾンデが通常30kmまでの高さを観測するのに対して、ロケットゾンデはその約2倍の高さまでデータを収集します。このため、成層圏全域や中間圏の下部に至るまでの大気情報が得られるのです。

歴史と技術的進展

1960年代から、ロケットゾンデを用いた観測が発展してきました。この技術の背景には、気象庁や東京大学宇宙航空研究所（現在の宇宙科学研究所および宇宙航空研究開発機構＝JAXA）の協力が存在します。

具体的には、1960年代にMT-135[[ロケット]]が開発され、岩手県三陸町の綾里に気象ロケット観測所が設立されました。この観測所では、1971年から2001年にかけて、週ごとに定期的な観測が行われました。これにより、定期観測だけでも1,119回以上の打ち上げが実施され、その他の観測を含めると総打ち上げ回数は1,300回を超えています。

MT-135Pロケットの構造

定期観測で使用されたMT-135Pロケットは、全長3.3mの単段式小型ロケットであり、先端部に観測機器を装着し、モーター部にはパラシュートが取り付けられていました。発射後、約10秒間は燃料エンジンでの飛行を行い、その後は慣性飛行に移行します。約95秒後には観測機器を分離し、110秒後には最高到達点に達します。その後、落下しながら観測をつづけ、指定した高度や等圧面で気圧、風速、気温、密度などのデータを収集します。

観測の重要性

ロケットゾンデによる観測は、気象学において非常に重要です。特に中層大気に関するデータは、気象予測や気候研究の基盤となるため、今後も継続的にデータが収集されることが求められています。これにより、気候変動や極端な気象現象の理解が深まることが期待されています。これまでの研究成果や技術の進展により、ロケットゾンデは今後も気象観測における重要な役割を果たし続けるでしょう。

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