ロシア社会民主労働党

ロシア社会民主労働党の概要

ロシア社会民主労働党（Российская социал-демократическая рабочая партия）は、1898年に設立されたロシア帝国における最初のマルクス主義政党である。この党は、後にボリシェヴィキとメンシェヴィキという二つの派閥に分裂し、それぞれ異なる方針と戦略を持つこととなった。

党の創立

1890年代の工業化に伴い、ロシアでは労働運動が盛んになり、社会民主主義的なグループが次々に結成された。こうした背景の中、全国的な党の必要性が広まる。1898年、キエフのグループを中心に、ミンスクで創立大会が開催された。この大会で、党名は「ロシア社会民主党」と決まり、すでに発行されていた『ラボーチャヤ・ガゼータ（労働者新聞）』が中央機関紙とされた。しかし、大会直後に多数の逮捕が行われ、中央委員会は実質的に機能を停止してしまう。これを受け、ストルーヴェは党名を「ロシア社会民主労働党」とする提案を行い、この名前が定着した。

ボリシェヴィキとメンシェヴィキの分裂

1900年、レーニンなどのグループが中心となり、ブリュッセルで第二回党大会を開催。この大会では、党の綱領と規約が定められ、中央機関の選出が行われた。しかし、その過程でレーニンとマルトフの意見が対立し、最終的にレーニン派が中央機関を支配することになった。この大会の混乱から、ボリシェヴィキ（多数派）とメンシェヴィキ（少数派）が生まれる。

その後、レーニンは『一歩前進、二歩後退』などの著作を通じて対抗しつつ、1904年には「多数派諸委員会ビューロー」を設立。この時期、ボリシェヴィキとメンシェヴィキの戦術や組織に関する対立は深まり、過激な論争に発展していく。

ロシア第一革命と両派統合の試み

1905年、血の日曜日事件を契機にロシア第一革命が勃発。メンシェヴィキは革命をブルジョア革命と位置づけた一方、ボリシェヴィキは「プロレタリアートと農民の革命的民主主義的独裁」のスローガンを掲げ、武装蜂起を準備した。続いて、ストックホルムで開催された統一党大会では、メンシェヴィキの多数派となり、その後のロンドン大会でもボリシェヴィキが多数派となるものの、分裂の根本的な解消には至らなかった。

反動期における四分五裂

1907年、ツァーリ政府によって第二国会が解散され、社会民主労働党は反動期に突入。選挙法の改悪により、党は議席数を減少させ、メンシェヴィキとボリシェヴィキの内部においてもさまざまな見解が対立。慰安運動主義や解党主義が登場し、さらに混乱が増す。

レーニン派の独立

1912年1月、プラハで行われた党協議会において、レーニン派は党維持派メンシェヴィキと共に新しい中央委員を選出し、解党派を追放。この結果、ロシア社会民主労働党の分裂は決定的な段階に達した。トロツキーのグループは協議会に対抗しようと試みたが、実質的な成果は得られなかった。このようにして、ロシア社会民主労働党は複雑な歴史を辿りつつ、最終的にはレーニン派が主導する形に変化していくこととなった。

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