ロジャー・ブラウン

ロジャー・ウィリアム・ブラウン

ロジャー・ウィリアム・ブラウン（1942年5月22日 - 1997年3月4日）は、アメリカの元プロバスケットボール選手で、主にABAのインディアナ・ペイサーズで名を馳せました。彼は身長196cm、体重93kgのスモールフォワードであり、2013年にはバスケットボール殿堂入りを果たしました。

経歴の始まり

ブラウンはニューヨーク州ブルックリンに生まれました。地元のウィンゲート高校では優れたパフォーマンスを発揮し、主力選手としてチームを牽引しました。彼はその後、デイトン大学でのプレイを内定していましたが、1961年に発覚したNCAA八百長スキャンダルにより、事件に関与した選手との交友関係が問題視され、NCAAおよびNBAからのプレー禁忌を受けることになりました。ただし、ブラウン自身は不正行為に関与しておらず、八百長事件の影響を受けつつも、アマチュアリーグでプレイを続けました。

ABAでの活躍

1967年にABAが設立された際、ブラウンはインディアナ・ペイサーズと契約し、以後は中心選手として活躍しました。彼はメル・ダニエルズやフレディ・ルイスらと共にチームを3度のリーグ制覇に導きました。また、彼自身は4度のオールスター選出と3度のオールABAチームに選ばれた実績を持っています。

特に、1969-70シーズンにおいてはキャリアハイの平均23.0得点を記録し、プレーオフでも平均28.5得点を挙げるなど、プレーオフMVPに輝きました。チームの優勝に大きく貢献した年は、彼のキャリアのハイライトの1つとなっています。

キャリアの変遷

1972-73シーズン以降、ブラウンはジョージ・マクギニスの台頭に伴い、個人のスタッツは減少していきました。そして1974年、7シーズンを過ごしたペイサーズを離れ、メンフィス・サウンズとユタ・スターズでプレイしましたが、再びペイサーズに復帰。復帰後のシーズンにはチームがファイナルに進出しましたが、ケンタッキー・カーネルズに敗れました。

その後、ブラウンは1976年にNBAとの合併後もNBAでプレーすることはなく、そのキャリアを終えました。彼のABAでの成績は605試合出場で通算10,498得点、3,758リバウンド、平均17.4得点、6.2リバウンドというものでした。そして、ペイサーズで記録した通算10,058得点は同チームの歴史において4位の成績を誇ります。

引退後の活動

現役引退後、ブラウンはインディアナポリス市郡議会で共和党員として活動し、約4年間役職を務めました。また、1979-80シーズンにはペイサーズのアシスタントコーチとしてチームに貢献。1985年には彼の背番号35がペイサーズの永久欠番に指定されました。彼はチームの重要な選手の一人として、レジー・ミラーに「おそらくNBAでプレーしなかった中で最も偉大な選手」と称されています。

ブラウンは1997年に大腸がんにより54歳で死去しましたが、その死後5ヶ月後に発表されたABAオールタイムチームには満票で選ばれました。2013年にはバスケットボール殿堂入りが発表され、彼の偉業は今なお多くの人々に称えられています。

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