ロジャー・マッギン

ロジャー・マッギン：音楽の旅路

ジェームズ・ロジャー・マッギン（James Roger McGuinn、1942年7月13日 - ）は、アメリカ合衆国イリノイ州シカゴ出身のシンガーソングライターです。本名ジェームズ・ジョセフ・マッギン3世。彼は、「ローリング・ストーンの選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」で95位に選ばれるなど、音楽史に名を刻む人物です。

生い立ちと初期の音楽活動

1942年にシカゴで生まれたマッギンは、14歳の誕生日にギターをプレゼントされ、独学でギター奏法を習得しました。ボブ・ギブソンの影響からフォーク音楽に傾倒し、音楽学校でアコースティック12弦ギターとバンジョーを学びました。その後、シカゴのフォーク・クラブやコーヒー・ハウスで演奏活動を開始。1961年には、ライムライターズやチャド・ミッチェル・トリオのバックミュージシャンとしてプロとしてのキャリアをスタートさせました。1963年頃からは、グリニッジ・ヴィレッジでボビー・ダーリンの伴奏者としても活躍しました。

ザ・バーズ結成と成功

1964年、マッギンはビートルズの映画『ハード・デイズ・ナイト』を鑑賞し、ジョージ・ハリスンの持つリッケンバッカー12弦エレクトリックギターに衝撃を受けます。この出来事がきっかけとなり、彼はロックバンドを結成することを決意。ジーン・クラーク、デヴィッド・クロスビーと共にジェット・セットを結成しました。当初、12弦ギターを持っていなかったマッギンは、バンジョーとアコースティック・ギターを売却し、念願のリッケンバッカー360/12を購入しました。

その後、クリス・ヒルマン（ベース）、マイケル・クラーク（ドラム）を迎え、1964年11月にザ・バーズとしてコロムビア・レコードからデビュー。1965年4月には、ボブ・ディラン作のデビュー・シングル「ミスター・タンブリン・マン」がビルボード全米シングル・チャートで1位を獲得し、マッギンは一躍ロック歌手としての地位を確立しました。また、映画『イージー・ライダー』のサウンドトラックには、マッギンの楽曲が2曲収録されています。ザ・バーズでは、事実上のリーダーとして1973年まで主導権を握り、数多くの楽曲を提供しました。

ソロ活動と再結成

1973年2月、マッギンはザ・バーズを解散し、ソロ活動を開始します。1977年には、ザ・バーズの元メンバーであるジーン・クラーク、クリス・ヒルマンと共に「マッギン・クラーク&ヒルマン」を結成。シングル「Don't You Write Her Off」がビルボードホット100で33位を記録するなど、商業的な成功を収めましたが、クラークの健康状態悪化により脱退。その後はヒルマンとのデュオ「マッギン&ヒルマン」として活動しましたが、1981年に解散しました。現在でもマッギンはリッケンバッカー12弦エレキギターを愛用し、フォーク・クラブなどで精力的に演奏活動を行っています。近年では、3弦が複弦となっているアコースティック7弦ギターを使用するなど、ユニークなギタリストとしても知られています。

改名とサングラス

出生名がジェームス・ジョセフ・マッギン3世であったため、当初はジム・マッギンと名乗っていました。しかし、1967年にインドネシアの新興宗教スブドに入信した際、改名を勧められ、ロジャー・マッギンに改名しました。ザ・バーズとしてデビューした1965年頃、マッギンはベンジャミン・フランクリン風の老眼鏡型サングラスを着用していました。このサングラスは、一時的にファンやジョージ・ハリスン、スモール・フェイセスのスティーヴ・マリオットらの間で流行しました。

ロジャー・マッギンの音楽は、フォーク、ロック、カントリーなど多様なジャンルを横断し、その才能は多くの人々に影響を与え続けています。

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