ロット (ランツベルク郡)

ロット（ドイツ語: Rott）は、ドイツ連邦共和国バイエルン州、オーバーバイエルン行政管区内のランツベルク・アム・レヒ郡に属する基礎自治体です。本項では町として記述します。隣接するライヒリングを含むいくつかの自治体と共に、ライヒリング行政共同体を形成しています。

地理的に見ると、ロットはランツベルク・アム・レヒとヴァイルハイム・イン・オーバーバイエルンのほぼ中間、アンマー湖とレヒ川に挟まれた地域に位置しています。ヴァイルハイムとランツベルクを結ぶ主要な街道と、ディーセン・アム・アンマーゼーからショーンガウへ至る街道が交差する交通の要衝でもあります。この周辺の地域はレヒ川沿岸部を指すレヒラインと呼ばれています。特に、修道院の町として知られるヴェッソブルンからは、北西へおよそ4kmの距離にあります。

町の地形は、最終氷期に形成されたモレーンによって特徴づけられます。アイヒベルクあるいはカルヴァーリエンベルクと呼ばれるモレーン丘陵が町域に存在し、その標高752mの山頂はランツベルク・アム・レヒ郡における最高地点となっています。この高地から南におよそ2km離れた場所には、高層湿原の中にエンゲルスリート湖が位置しています。集落は、こうした氷河期堆積物であるモレーンの南斜面に、比較的緩やかな勾配で広がっています。

行政上、ロットは公式には五つの地区から構成されています。そのうち、比較的人口が多い集落として、ペッセンハウゼン地区と中心地区であるロット地区が挙げられます。

この地の歴史は古く、最初期の定住を示す痕跡は、ハルシュタット期（紀元前8世紀〜紀元前5世紀頃）の墳墓遺跡として確認されています。ロットとライヒリングの間には、ラ・テーヌ期（紀元前5世紀〜紀元前1世紀頃）にケルト人が築いた方形防塁の跡が見られます。ローマ時代には、エプファッハ（現在のデンクリンゲンの一部）からライスティングへ向かう重要な街道が現在の町域を通過していました。ローマ人の恒常的な定住跡は発見されていませんが、ローマ神話のバッカスの胸像が出土しており、これは現在ミュンヘンの州立古代史博物館に収蔵されています。7世紀に造られたとみられる列状の墳墓群も町内に存在します。

「ロット（Rott）」という集落の名前は、11世紀末に「Rotta」として初めて文献に記録されています。この名称は、町を流れるロットバッハ川に由来すると考えられています。川の名前自体は、その源流である湿原から流れる水が赤褐色を帯びていること（ドイツ語で「赤い」は「rot」）と、インド＝ゲルマン語で「急流」を意味する「Rota」の両方に由来すると解釈されています。

13世紀には、ロットはヴェッソブルン修道院の所領となりました。近代になり、バイエルンでの宗教施設財産の世俗化（国有化）が行われた後、この町は初めて独自の司祭区を形成することとなり、経済的、社会的にも独立した自治体として歩み始めました。

第二次世界大戦後の人口動態には大きな変化が見られました。当時およそ600人だった町の人口に対し、300人もの難民や避難民が流入したのです。この急激な人口増加を契機に、ロットは伝統的な農村の様相から、多くの人々が近隣の工場などに通勤する工業化された町へと発展していきました。

町が属するライヒリング行政共同体を通じて行政が運営されています。町の象徴である紋章は、銀色の背景に青い横波帯が中央よりやや下部に描かれ、その中に銀色の木靴が配置されています。波帯の上には、斜め十字に交差する赤い鍵と、赤い柄が付いた青い開墾用の斧が配されています。

ロットには訪れるべき文化的な見所がいくつかあります。町の中心部には、豊かなロココ様式の装飾が施されたヨハネ教会があります。集落の北端に位置するオッティリエン礼拝堂は、1483年に建造された歴史ある建物で、バロック様式の祭壇や古い奉納額を見ることができます。また、1965年に献堂された比較的新しい聖家族教区教会は、緑に囲まれた美しい墓地を併設しています。町の南にあるカルヴァーリエンベルク（前述の郡最高地点）には、1878年に整備された受難の道行きと、1894年に造られたルルドのグロットがあります。町の南約2kmに位置するエンゲルスリート湖は、水浴地として親しまれており、その周辺は自然保護地区に指定されています。さらに、地元の歴史に触れることができる村の博物館では、レヒライン地方に関する様々なテーマの企画展示が行われています。

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