ロバート・ダーシー (第4代ホルダーネス伯爵)

第4代ホルダーネス伯爵ロバート・ダーシー

ロバート・ダーシー、第4代ホルダーネス伯爵（1718年5月17日 - 1778年5月16日）は、イギリスの貴族で政治家という顔を持つ人物です。彼は、父である第3代ホルダーネス伯爵ロバート・ダーシーと、母フレデリカ・ションバーグの次男として生まれました。彼の子供時代は、1722年に父が亡くなった後、貴族の地位を襲名したことで大きく変わります。

彼はウェストミンスター・スクールで学び、1732年にはケンブリッジ大学トリニティ・ホールに入学しましたが、学位を取得することはありませんでした。政治家としてのキャリアが始まったのは1740年、ノース・ライディング・オブ・ヨークシャーの統監に任命されたことからです。この後、彼は数々の役職を歴任し、1741年にはジョージ2世の寝室侍従に就任し、1751年までその任にあたりました。

ホルダーネス伯爵は、1743年にジョージ2世に同行してハノーファーに向かい、デッティンゲンの戦いにも参加します。彼はその後、1744年にヴェネツィア共和国の大使に任命され、外交関係の再開に努めました。大使として2年間の任期を終え、帰国した後はデン・ハーグ駐在全権公使として働くことになります。1751年にはブロード・ボトム内閣の南部担当国務大臣に就任し、次第に重要な政治的役割を担うようになりました。

このように彼は国務大臣として活躍しながらも、1761年に罷免され、その後年金と五港長官に就任する権利を得ることになります。彼が1765年に五港長官に任命された後、その後の職務も続けました。特にノース・ライディング・オブ・ヨークシャーの首席治安判事やヨークシャーの副提督など地域での役割も果たしました。

1771年には王太子ジョージの家庭教師に任命されるなど、教育にも関わっていましたが、1778年に死去するまで、政治の舞台で活躍を続けました。ダーシーは、権力の中枢に身を置く一方で、時には批判の的にもなり、政治家としての評価は分かれるといった複雑な人物でもありました。特に、ホレス・ウォルポールからは「無思考な大臣」と称されるなど、批判的に見られることもありました。

ホルダーネス伯爵は1743年にメアリー・ダブレットと結婚し、2男1女を儲けましたが、子供たちの中には早逝した者もおり、唯一の生存者である娘アメリアはその後タイトルを継承しました。ホルダーネス伯爵の政治キャリアには一定の成功があったにもかかわらず、彼の存在は多くの人にとって影の部分も含めた興味の対象となっています。特に、彼の政治的地位が才能ではなく階級と外交関係によるものだという見解もあり、彼の業績は評価が分かれるところです。1778年に亡くなると、その爵位は断絶し、ダーシー・ド・ネイス男爵やコンヤーズ男爵、メルトラ伯爵の地位は娘に引き継がれることとなりました。彼はまた、長らくガーター勲章の授与が約束されていましたが、最終的には授与されることなく生涯を終えました。

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