ロベルト・ベラルミーノ

ロベルト・フランチェスコ・ロモロ・ベラルミーノの生涯と業績

ロベルト・フランチェスコ・ロモロ・ベラルミーノ（1542年10月4日 - 1621年9月17日）は、イタリア出身の著名なイエズス会司祭で、ローマ・カトリック教会の枢機卿であった。彼はカトリック改革において大きな功績を残した人物とされ、1930年には聖人および教会博士として列せられた。

幼少期と教育

ベラルミーノは、貧しい貴族の家庭に生まれ、教育に恵まれた環境で育った。彼の母は教皇マルケルス2世の姉妹であり、神童的な才能を見せた彼は早くから詩作や暗誦に秀でていた。父親は政治の道を望んでいたが、母の意向でイエズス会に入会することとなる。1560年にローマのイエズス会修練院に入った後、1563年にはモンドヴィに移り、ギリシャ語を学ぶ。その後、パドヴァ大学でトマス・アクィナスの神学を学び、研究活動を通じて名声を得ていく。

論争神学の確立

ベラルミーノはルーヴェン大学での教授として名を馳せ、特に『異端反駁信仰論争』（Disputationes de controversiis christianae fidei）という著作によって、カトリックとプロテスタントの信仰論争に関する体系的な見解を示した。この作品は、カトリック教会の教義を守る上で、また他宗派との対立の中で非常に重要な役割を果たし、その後の神学的議論にも影響を与えた。

教会の役職と影響力

1589年以降、ベラルミーノは教皇の重用を受け、様々な役職を歴任する。異端審問担当の枢機卿として、彼は教会の教義を守るために闘った。1602年にはカプア大司教に任じられ、教会改革の方向性に貢献した。また、ガリレオ・ガリレイの審問にも関与し、彼にコペルニクスの学説撤回を求めたことでも知られている。

晩年と著作

ベラルミーノは故郷モンテプルチャーノに戻り、引退生活を送る。彼は一般人の精神的な指導を目的とした著作をいくつか執筆し、『魂の神への上昇』や『善き死のためのわざ』などがある。これらの作品は、彼の神学的見解を反映したものであり、今なお多くの信者に影響を与え続けている。

列聖と遺体の安置

長年にわたり、イエズス会は彼の列聖を目指し続け、1930年に教皇ピウス11世によって列聖された。ベラルミーノの遺体はローマのサンティニャツィオ教会に安置されており、彼の弟子である聖アロイシウス・ゴンザーガの近くに位置している。

ベラルミーノの影響は多岐にわたり、特にカトリック教会の教義形成において重要な役割を果たしたことは疑いようがない。彼の記念日は9月17日であり、彼の功績を称えるために多くの信者がこの日を祝う。彼の業績や思想は、現代の神学にも多くの示唆を与えていると言えるだろう。

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