ロランダス・パクサス

ロランダス・パクサス：リトアニアの政治家

ロランダス・パクサス（Rolandas Paksas、1956年6月10日 - ）は、リトアニアの政治家です。彼は、大統領（2003年 - 2004年）、首相（1999年、2000年 - 2001年）、ヴィリニュス市長（1997年 - 1999年、2000年 - 2001年）、欧州議会議員（2009年 - 2019年）といった要職を歴任しました。

生い立ちと経歴

1956年、リトアニア北部のテルシェイで生まれました。1984年にレニングラード民間航空アカデミーを卒業後、パイロット、会社社長を経て政治家への道を歩み始めました。

政治家としてのキャリア

初期

当初はリトアニア共産党員であり、リトアニア独立回復後は継承政党であるリトアニア民主労働党に所属していました。しかし、自身の保守的な考えから1995年に民主労働党を離党。1997年には祖国同盟からヴィリニュス市議会選挙に立候補し、当選して市長に選ばれました。

首相として

1999年6月にはリトアニア首相に選出されましたが、同年10月、外資導入を巡る閣内不一致により総辞職しました。同年12月にはリトアニア自由連合に移り、代表に就任。その後、再度ヴィリニュス市長に就任し、2000年10月には再び首相として内閣を組閣しました。

大統領への道と失職

2002年、政策の不一致から自由連合を離れ、自由民主党（後に秩序と正義に改名）を結党して党首となりました。2002年12月には自由民主党から大統領選挙に立候補し、2003年1月の決選投票で現職のヴァルダス・アダムクスを破り、大統領に当選しました。

しかし、2003年10月、ロシアの国際犯罪組織との癒着疑惑が浮上し、スキャンダルに見舞われました。2004年3月には、リトアニア憲法裁判所が国家機密保持などに関する大統領の行為を違憲と判断。同年4月にはリトアニア議会が大統領弾劾を可決し、パクサスは大統領を辞任することとなりました。この弾劾により、国会議員選挙への立候補が生涯禁じられることとなりましたが、2011年には欧州人権裁判所がこれを違法とする判決を下しました。

その後

大統領辞任後も自由民主党の党首を務め、2009年には欧州議会議員選挙で当選し、欧州議会議員となりました。2018年5月には、秩序と正義所属のペトラス・グラジュリス国会議員と共に市民運動「私は民族を叫ぶ」を設立。2018年9月には秩序と正義を離党し無所属となったため、事実上大統領や議長に立候補することが出来なくなりました。2019年7月1日、2期10年務めた欧州議会議員を退任しました。

人物像

既婚者であり、2人の子供がいます。ソビエト連邦時代からアクロバット飛行の国家チームのメンバーであり、世界中でスタントパイロットとして活躍していました。

ロランダス・パクサスは、その政治手腕と波乱万丈な経歴で、リトアニアの政治史に名を残す人物と言えるでしょう。

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