ロレンソ了斎

ロレンソ了斎

ロレンソ了斎（1526年 - 1592年）は、戦国時代から安土桃山時代にかけて活躍したイエズス会宣教師です。彼はその卓越した説教能力で知られ、当時の日本におけるキリスト教の普及に大きく貢献しました。

生涯

肥前国平戸島（現在の長崎県平戸市）で生まれたロレンソ了斎は、生まれつき目が不自由であったため、琵琶法師として生計を立てていました。1551年、周防国山口でフランシスコ・ザビエルの説教を聞き、キリスト教に感銘を受けます。ザビエルから洗礼を受け、ロレンソという洗礼名を授かりました。

ザビエルの日本離去後も、ロレンソはイエズス会宣教師たちの活動を支援し、布教活動に尽力します。1559年には、コスメ・デ・トーレスの指示により、ガスパル・ヴィレラとともに京都へ上り、足利義輝に謁見。キリスト教布教の許可を得ることに成功しました。また、京都の実質的な支配者であった三好長慶にも布教の許可を得ています。

さらに、キリスト教に批判的な立場であった松永久秀が、ヴィレラを自身の領地である奈良に招き宗論を行った際には、ヴィレラの身を案じたロレンソが代わりに派遣されました。ロレンソは仏僧たちを論破し、その論理的な説明は、居合わせた高山友照を感銘させ、高山友照は息子の高山右近や家臣とともに、後にヴィレラから洗礼を受けました。

1558年、ロレンソはヴィレラとともに肥前国松浦郡の度島に滞在し、平戸で仏僧と論争を行い、その弁舌で打ち負かしています。1563年には正式にイエズス会に入会し、修道士となりました。1565年には九州での宣教活動に従事し、1569年には再び畿内へ戻りました。そこで織田信長から布教の許可を得て、ルイス・フロイスとともに信長の面前で日蓮宗の僧侶である朝山日乗と論争を行いました。

1587年、豊臣秀吉によるバテレン追放令を受けて九州に移り、1592年に長崎で生涯を閉じました。

人物

琵琶法師として培った日本の伝統文化や仏教、神道の知識を活かし、ロレンソはキリスト教を広めました。戦乱の世で救いを求め、キリスト教の教えを知ろうとする人々の疑問に、彼は誠実に答えました。その結果、当時の畿内や九州では多くの人々が洗礼を受け、キリスト教が広がりました。ロレンソの布教活動は、日本のキリスト教史において非常に重要な役割を果たしたと言えるでしょう。

登場する作品

山田風太郎『盲僧秘帳』
NHK大河ドラマ『信長 KING OF ZIPANGU』（演：稲川淳二）
『信長のシェフ』（テレビドラマ版では川鶴晃裕が演じた）
『軍師官兵衛』（2014年、NHK大河ドラマ、演：秋間登）

参考文献

結城了悟『ロレンソ了斎―平戸の琵琶法師』（2005年4月、長崎文献社）ISBN 4-88851-086-5

関連項目

日本のキリシタン一覧
白井河原の戦い
内藤如安
* 八木城 (丹波国)

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