ロングアイランドシティ駅

ニューヨーク市クイーンズ区の西端、活気あふれるロングアイランドシティ地区に位置するこの駅は、ロングアイランド鉄道（LIRR）が運行する鉄道駅です。メトロポリタンエリアにおける主要な交通拠点の一つであり、LIRRのネットワークにおいて重要な役割を担っています。この駅は、ニューヨーク市内の鉄道駅を包括的に扱う「シティターミナルゾーン」に含まれており、LIRRの運賃区分では最も都心に近い「ゾーン1」に分類されています。

概要と運行形態

ロングアイランドシティ駅は、LIRRの本線とモントーク支線の公式な始発駅および終着駅となっています。ただし、運行される列車の本数は他の主要駅に比べて少なく、主に平日の通勤・通学ラッシュアワーにその利用者が集中します。朝の通勤時間帯にはジャマイカ駅方面へ向かう列車が混雑し、夕方の帰宅時間帯にはロングアイランドシティ方面への列車が混雑するという、典型的な都市近郊路線のパターンが見られます。この時間帯以外は比較的静かな駅となります。

利用可能な鉄道路線

当駅を始終点とする路線は以下の通りです。

本線: LIRRの主要幹線であり、ここから東方面へと多くの支線が分岐・乗り入れます。
オイスターベイ支線: ミネオラ駅で本線に乗り入れ、ロングアイランドシティ駅まで運行される列車があります。
モントーク支線: バビロン支線またはセントラル支線を経由して本線に乗り入れ、当駅まで運行される列車があります。
ポートジェファーソン支線: ヒックスヴィル駅で本線に乗り入れ、当駅まで運行される列車があります。

なお、これらの支線から乗り入れてくる列車のうち、当駅に発着する列車の多くはディーゼル車両によって運行されています。

歴史

ロングアイランドシティ駅は1854年 6月26日に開業しました。開業以来、その歴史は波乱に満ちています。1902年 12月18日には、LIRRが所有していた駅ビルとオフィスビルが大規模な火災により全焼するという大きな被害に見舞われました。しかし、迅速な対応により、翌年の1903年4月26日には新しい駅舎が再建され、運行が再開されました。また、鉄道の近代化に伴い、1910年 6月16日には直流750ボルトの第三軌条方式による電化が実施されました。その後、都市基盤整備の一環として、1939年にはクイーンズ・ミッドタウン・トンネル（高速道路トンネル）の建設に伴い、当時の駅舎が解体されることとなりました。19世紀中だけでも、1861年、1870年、1875年、1878年、1879年、1881年4月、1891年7月、そして1903年4月26日の再建を含めると、少なくとも8回の改築が行われており、駅は時代の変化に合わせてその姿を変えてきました。

駅構造

駅は地上駅であり、島式ホーム3面と13線の線路を有しています。ホームは主にコンクリート製が2面、木製が1面です。すべてのホームは、おおよそ客車2～3両編成分の有効長しかありません。旅客が利用できるのは、5丁目の西側、ボーデン・アベニューからアクセスできる1面のホームのみです。このホームは特定の線路（番号は変動する可能性がありますが、例として6番線と7番線に接するコンクリート製ホームなど）に隣接しています。他のホーム（例えば8番線と9番線に接する木製ホームなど）は、主に駅や鉄道関係の従業員が利用するためのホームであり、一般旅客は立ち入りが制限されています。旅客ホーム以外の線路は、列車の留置や整備のために使用される留置線となっています。線路のうち、最も南側にある4本の線路は電化されており、第三軌条から電力を供給される電車が利用できます。それ以外の線路は、主にディーゼル車両のみが利用する非電化区間となっています。

その他の情報

ロングアイランドシティ駅は、現在ニューヨーク・アンド・アトランティック鉄道が所有・運行しているロウアーモントーク支線とも接続しています。ただし、このロウアーモントーク支線では、2012年11月時点の情報ではLIRRの定期旅客列車は運行されていませんでした。

また、イースト川の下を通る鉄道トンネル（イースト川トンネル）が開通するまでは、当駅はロングアイランドからイーストサイド・マンハッタンへ向かう際の主要な乗り換え地点でもありました。当時の利用者は、当駅で列車を降り、イースト川を渡るフェリーに乗り換えてマンハッタンへとアクセスしていました。旅客フェリーの運航は1925年3月3日に廃止されましたが、貨物輸送においては、20世紀中ごろまで車両艀（しゃりょうはしけ）が使用され、ガントリー・プラザ州立公園を経由してマンハッタンとの間を往来していました。現代では、ニューヨーク・ウォーターウェイなどがフェリーサービスを運行しており、当駅周辺からもマンハッタンへのフェリーを利用することが可能です。

隣の駅

ロングアイランド鉄道本線において、ロングアイランドシティ駅の次の駅はハンターズポイント・アベニュー駅です。

* ロングアイランド鉄道本線: ロングアイランドシティ駅 – ハンターズポイント・アベニュー駅

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