ロンセスバーリェス

ロンセスバーリェス：歴史と巡礼の地

ロンセスバーリェス（スペイン語: Roncesvalles）は、スペイン・ナバーラ州に位置するムニシピオ（基礎自治体）であり、バスク語ではオレアガ（Orreaga）、フランス語ではロンスヴォー（Roncevaux）と呼ばれています。ピレネー山脈の標高900m地点、ウロビ川の岸辺に位置し、スペインとフランスの国境に近い場所にあります。

地理

ロンセスバーリェスは、ナバーラ州の州都パンプローナから約47kmの距離に位置しています。その地理的な特性から、古くからピレネー山脈を越える交通の要衝として機能してきました。2014年の人口は33人と小規模ですが、その歴史的な重要性は非常に大きいと言えます。

歴史

ロンセスバーリェスは、778年のロンセスバーリェスの戦い（ロンスヴォーの戦い）の舞台として最もよく知られています。この戦いでは、カール大帝率いるフランク軍が山岳バスク人と戦い、敗北を喫しました。この戦いで、カール大帝の家臣である騎士ローランが戦死したと伝えられています。この出来事は、叙事詩『ローランの歌』などの文学作品にも描かれ、ロンセスバーリェスの名を広く知らしめました。

ロンセスバーリェスにあるコレヒアータ・デ・サンタ・マリア教会には、ローランにちなんだ遺物が展示されています。また、ナバラ王サンチョ7世の墓があり、1212年のナバス・デ・トロサの戦いで彼が持ち帰った戦利品も展示されています。伝えられるところによれば、サンチョ7世はムワッヒド朝の黒人奴隷を繋いでいた鎖を破り、その一部が教会に保管されています。墓に横たわる像は7フィート4インチ（約224cm）の長さがあり、サンチョ7世の等身大の大きさを表しているとされています。

サンティアゴ巡礼路

中世以降、コレヒアータ教会はサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路をゆく巡礼者にとって重要な宿場となりました。フランス側からピレネー山脈を越えてきた巡礼者が最初に宿泊する地であり、毎年数千人もの巡礼者がロンセスバーリェスからサンティアゴ・デ・コンポステーラへと旅立ちます。ロンセスバーリェスは、巡礼者にとって精神的な出発点であり、旅の安全を祈る場所となっています。

ロンセスバーリェスは、その豊かな歴史と美しい自然景観、そしてサンティアゴ巡礼路の重要な拠点としての役割から、多くの人々にとって魅力的な場所です。訪れる人々は、歴史の足跡をたどりながら、巡礼の精神に触れることができるでしょう。

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