ロンドンブリッジ (競走馬)

ロンドンブリッジ：幻の女王とその血脈

ロンドンブリッジは、日本の競走馬、そして繁殖牝馬として名を馳せた名牝である。主戦騎手は、後に調教師となる松永幹夫氏。現役時代は、類まれなスピードと強靭な闘志で多くのファンを魅了し、幾多のレースを駆け抜けた。

華麗なる現役時代

1997年、栗東の中尾謙太郎厩舎に入厩。デビュー戦となる札幌の新馬戦では、1番人気に応え見事勝利を収めた。続く500万下競走でも1番人気で快勝し、2連勝。勢いに乗って挑んだ京都のファンタジーステークスでは、スタートで出遅れるアクシデントに見舞われながらも、驚異的な末脚で差し切り、重賞初制覇を飾った。デビューから3連勝という輝かしいスタートを切った。

続く阪神3歳牝馬ステークスへの出走も期待されたが、休養を選択。1998年、報知杯4歳牝馬特別で復帰戦を迎えるも、4着に敗れた。しかし、続く桜花賞では、外枠という不利な枠順ながらも、スタート直後から積極的にレースを展開。ハイペースで逃げを打ち、最後まで粘り強く走り抜いた結果、2着という素晴らしい成績を残した。オークスにも出走したが、距離が影響したか、10着と結果を残せなかった。その後、左前浅屈腱炎を発症し、惜しまれつつも現役を引退した。

繁殖牝馬としての成功

現役引退後は、故郷の下河辺牧場に戻り、繁殖牝馬としての新たなキャリアをスタートさせた。その産駒たちは、母譲りの才能を受け継ぎ、数々の重賞レースで活躍をみせた。特に、初仔のダイワエルシエーロは優駿牝馬（オークス）を制覇。さらに、ビッグプラネット（アーリントンカップ、京都金杯）、グレーターロンドン（中京記念）など、多くの重賞勝ち馬を輩出し、繁殖牝馬としても卓越した能力を示した。8番仔のブリッツフィナーレからは、菊花賞を制したキセキやマーメイドステークスを制したビッグリボンといった名馬が誕生している。

ロンドンブリッジは、7頭の繁殖牝馬の後継も残しており、その血脈は現在も競走界に大きな影響を与えている。

引退後

2018年11月1日付で繁殖牝馬を引退。2022年4月からは、功労馬繋養展示事業の対象馬となり、北海道沙流郡日高町の下川茂広牧場にて、引退名馬として大切に飼育されている。

ロンドンブリッジという名

なお、イギリスにも同名の競走馬「ロンドンブリッジ」が存在する。こちらは2010年生まれの牡馬で、2013年のブリーダーズカップ・マラソンを制している。

まとめ

ロンドンブリッジは、現役時代の実績、そして繁殖牝馬としての成功により、日本の競馬史にその名を刻んだ偉大な競走馬である。数々の名馬を輩出し、その血脈は現代競馬にまで繋がっている。幻の女王と呼ばれた彼女の輝かしい功績は、これからも語り継がれていくであろう。

もう一度検索