ロンドン・スタジアム

ロンドン・スタジアムの概要

ロンドン・スタジアムは、イギリスのロンドン東部に位置する大規模な競技場です。このスタジアムは2012年のロンドンオリンピックとパラリンピックのメイン会場として使用され、約8万人を収容できる能力を持っていました。この規模は、ウェンブリー・スタジアムやトゥイッケナム・スタジアムに次いで、イギリス国内で一時的に3番目に大きなスタジアムとなりました。

設計と建設の背景

2006年10月に設計案が承認され、建設は2007年から2011年にかけて行われました。スタジアムの設計は、建設会社のMcAlpine、建築設計会社POPULOUS、建設コンサルタントのBuro Happoldの共同作業によって実現しました。このスタジアムの外観は、特異な屋根構造が特徴で、「筋肉が人体を支える様子」を模して設計されており、訪れる人々に強い印象を与えています。

オリンピックでの利用

ロンドンオリンピックでは、主に陸上競技が行われましたが、他の大会と異なり、サッカーの決勝戦はウェンブリー・スタジアムで開催された点が特徴です。ロンドン・パラリンピック後、スタジアムの収容人数は60,000人に調整され、ウェストハム・ユナイテッドFCのホームスタジアムとして利用される予定であることが発表されました。ただし、トッテナム・ホットスパーFCの反発があったため、一度プランは白紙になったものの、最終的には2016年からウェストハムが使用を開始しました。

スポーツイベントの歴史

スタジアムはロンドン五輪の後も多種多様なスポーツイベントの舞台となっています。例えば、2013年にはセインズブリーズアニバーサリーゲームズが開催され、66,000人の観客が集まりました。また、2019年にはMLBの公式戦として、ニューヨーク・ヤンキース対ボストン・レッドソックスの試合が開催され、初めて陸上競技場での野球試合が行われました。この試合では、両チームともに初回からピッチャーが降板する珍事が起こり、最終的にヤンキースが勝利しました。

設計上の特徴

スタジアムの設計は、最大限の観客収容を可能にするために、自然の傾斜を利用した構造が採用されています。アリーナ部分は土を掘り進める形で新設合計55,000人分の観客席が設けられ、上部の座席も軽量の鉄とコンクリートによって形成されています。これにより、スタジアム全体は開放的でありながら、安全で快適な観戦環境を提供しています。

今後の展望

スタジアムは、2020年にはシカゴ・カブス対セントルイス・カージナルスの対戦が予定されていたものの、新型コロナウイルスの影響で中止となりました。2023年には、同じ対戦カードが改めて組まれ、2024年にもニューヨーク・メッツ対フィラデルフィア・フィリーズの試合が開催されることが決定しています。これらの試合により、スタジアムは引き続きスポーツイベントの重要な拠点として機能していくことでしょう。

ロンドン・スタジアムは、歴史的なイベントの舞台であると同時に、今後のスポーツ振興においても重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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