ローズ大学

ローズ大学について

ローズ大学は、南アフリカ共和国東ケープ州の都市マカンダ（旧グラハムズタウン）に位置する公立大学です。1904年に設立された、州内最古かつ国内でも6番目に古い大学として知られています。大学の名前は、設立資金を提供した植民地政治家セシル・ローズの遺産であるローズ基金に由来しています。

歴史

1902年、グラハムズタウンでの大学設立の提案がありましたが、戦争による資金不足で実現しませんでした。1904年、リアンダー・スター・ジェームソンがローズ基金から5万ポンドの優先株式を提供し、同年5月末にローズ大学が設立されました。東ケープ州の高等教育の源流は、セント・アンドリューズ・カレッジ、ジル・カレッジ（サマセット・イースト校）、グラーフ＝リーネット・カレッジ、グレイ・インスティテュートの4つであり、特にセント・アンドリューズ・カレッジの教員がローズ大学の設立に大きく貢献しました。

当初、セント・アンドリューズ・カレッジの敷地を利用していましたが、1905年にイギリス政府が購入したドロスディに移転しました。1918年には、南アフリカ大学設立に伴い同大学の一部となりましたが、1947年に再び単独の大学として独立する方針が決定しました。1951年3月10日、バジル・スコンランド卿を初代学長とする新たなローズ大学が開学しました。フォートヘア・カレッジはローズ大学の附属校として運営されましたが、アパルトヘイト政策により分離されました。大学理事会はこの分離に強く反発し、学問の自由を侵害していると訴えました。1962年には、この政策を推進した大統領C・R・スワートに名誉博士号が授与されたことに抗議し、学長のバジル・スコンランドが辞任する事態も起きました。

1963年にはジェームズ・ヒスロップが学長に就任し、1971年には閉校した私立の師範学校の建物と敷地を買収しました。

組織

ローズ大学には以下の6つの学部があります。

文学部
商学部
法学部
理学部
教育学部
薬学部

これらの学部はさらに30の組織に分かれており、特に文学部は11の組織を擁し、全学生の4割が所属する最大の学部です。

法律相談所

ローズ大学には法学部の学生訓練のため無料の法律相談所が開設されており、マカンダとコマニの2箇所に設置されています。2013年にはネルソン・マンデラの孫であるマンドラ・マンデラを相手取った訴訟を提起したことで、全国的な注目を集めました。

学生

2015年度には8,000人以上の学生が入学し、そのうち3,600人以上がキャンパス内の51ある学生寮で生活しています。2012年度の入学者数は1,592名でした。

主な出身者

ローズ大学は多くの著名な人物を輩出しています。以下はその一部です。

アレックス・ボレイン（政治家、反アパルトヘイト活動家）
イアン・スミス（軍人、政治家）
アリス・クリーグ（女優）
エンベス・デイヴィッツ（女優）
ダナ・ウィンター（女優）
ウィルバー・スミス（小説家）
ハンフリー・ナイプ（著作者、ポルノ制作者）
マックス・タイラー（ウイルス学者、ノーベル生理学・医学賞受賞）

名称問題

大学の名称は、植民地政治家セシル・ローズに由来するため、2015年以降、名称変更を求める議論が起こっています。ローズ・マスト・フォール運動ではケープタウン大学のローズ像が撤去されるなど、セシル・ローズの遺産に対する反対活動が活発化しました。2017年には大学理事会で名称変更の議決が行われましたが、反対多数で現状維持となりました。大学側はセシル・ローズの植民地政策を批判しつつも、大学の長い伝統を尊重し、現状の名称を維持する判断を下しました。

ローズ大学は、設立以来、数々の歴史的な変遷を経て、南アフリカの高等教育を支える重要な機関として、現在も発展を続けています。

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