ロータス・91

ロータス・91 (Lotus 91)

ロータス・91は、1982年にチーム・ロータスがF1世界選手権に向けて開発したフォーミュラ1カーです。このマシンは、前年のモデルであるロータス・87を基本に設計されました。87は、翌年以降のモデルに改良されたカーボンモノコックを共用しており、91にもその特徴が見えてきます。1983年からはフラットボトム規定が導入されるため、91はロータスにとって最後のグラウンド・エフェクト・カーとなりました。

1982年シーズンの中盤からは、モデル91/5がプルロッド形式のフロントサスペンションを装備して投入されました。特にイギリスGPでは、91/5が搭載される予定だったものの、ほとんどがスペアカーとして利用されるにとどまりました。また、最終戦のラスベガスGPにおいても新車の91/10が持ち込まれましたが、ドライバーであるナイジェル・マンセルは予選中に他のマシンに乗り換えることとなりました。

日本の模型メーカー、タミヤは91の実車をロータスから譲り受け、同社の本社ビル内で数々のF1カーと共に展示しています。しかしながら、91自体は模型化されていません。

1982年シーズン

1982シーズンの開幕にあたり、ロータスは前年使われた87を改良した87Bを用意しましたが、91は第2戦のブラジルGPから実戦に投入されました。ドライバーはエリオ・デ・アンジェリスとナイジェル・マンセルであり、マンセルはデビュー戦で5位に入り、その後の2台が失格となったため繰り上がりで3位となりました。第4戦のサンマリノGPでは他のチーム同様に欠場しました。

ナイジェル・マンセルはカナダGPで負傷したため、ロベルト・モレノやジェフ・リースがスポット参戦しましたが、結果は芳しくありませんでした。特に第13戦オーストリアGPでは、デ・アンジェリスがケケ・ロズベルグを0.05秒差でかわして優勝し、ロータスにとって1978年以来の勝利を飾りました。これは創設者コーリン・チャップマンにとって最後の栄冠となりました。

シーズン終了後、中嶋悟が全日本F2選手権でチャンピオンとなり、特典として91のテスト走行を行いました。1983年のF1フェスティバルでは富士スピードウェイで91を運転する姿も見られました。

シャーシ履歴とスペック

91は87、88と共通のモノコックが使用されており、シャーシナンバーも連番で設定されています。91/6から91/10は新規に製作され、87/5は91/5へと改装されました。日本のコレクターに販売された91/6を除き、他のモノコックはその後も様々なモデルとして生き残っています。

車両仕様

• - シャーシ名: 91
• - 全長: 4,300mm
• - 全幅: 2,150mm
• - ホイールベース: 2,748mm / 2,799mm / 2,849mm（可変式）
• - 前トレッド: 1,784mm
• - 後トレッド: 1,673mm
• - ホイール: スピードライン
• - タイヤ: グッドイヤー
• - ダンパー: コニ

• - エンジン名: フォード・コスワース・DFV
• - 気筒数・角度: V型8気筒・90度
• - 排気量: 2,990cc

シーズン成績

• - コンストラクターズランキング: 5位
• - ドライバーズランキング:

- エリオ・デ・アンジェリス: 9位、予選最高位7位、1勝
- ナイジェル・マンセル: 14位、予選最高位7位、最高位3位
- ロベルト・モレノ: 予選落ち（第9戦のみ参戦）
- ジェフ・リース: 予選最高位24位、決勝最高位12位（第11戦のみ参戦）

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