ロードアイランド植民地

ロードアイランド植民地の歴史

ロードアイランド植民地（英: Colony of Rhode Island and Providence Plantations）は、1636年から1790年まで現在のアメリカ合衆国ロードアイランド州に存在したイギリスの植民地です。この植民地は、神学者であるロジャー・ウィリアムズが設立し、当時の宗教的迫害から逃れてきた人々のための安全な場所となりました。

設立の背景

1636年、ウィリアムズはナラガンセット族の酋長カノニカスから土地を与えられ、独自の政治体制を形成しました。彼と仲間の開拓者たちは、「公共の事項」における多数決の原則や「良心の自由」を重視する憲法を策定し、平等主義的な社会の基盤を築きました。

その後、アン・ハッチンソンがバプテスト教徒として新たな入植を行い、アクィドネック島（現在のポーツマス）に住み着くことになります。彼女とともに、初期の入植者たちも集まり、緩やかな連合を結成しました。しかし、この集団は独立に対する脅威を感じ、1643年にはイギリスの認知を求めることとなります。

植民地の名称と初期の法律

1644年、植民地はイングランドの長期議会から土地の特許を得ますが、知事を持つことを拒否し、「プレジデント」制を採用しました。この決定は、当時の政治的風潮において進歩的であったと言えます。特に注目すべきは、魔女裁判や債務による収監といった厳しい法律が廃止されたこと、さらには1652年には奴隷制度が廃止された点です。

こうした施策は、後に他の植民地に先駆ける形で、信教の自由や人権を重要視する土壌を作り出しました。

政治と宗教

1660年にイギリスの革命政府が崩壊し、新たにチャールズ2世から勅許が必要になりました。チャールズ2世の下で、ロードアイランドでは信教の自由が保障され、1663年には知事と議会を設置することが認められました。これにより、クエーカー教徒やユダヤ教徒など、宗教的迫害を避けたい多くの集団がこの土地に移り住みました。

特に1763年には、北アメリカで2番目のシナゴーグがニューポートに建設され、宗教的多様性が象徴されるようになりました。

経済の発展

この植民地の経済活動は、農業、漁業、林業、造船業など多岐にわたりました。特に酪農業が重要な基盤となり、天然資源を活かした産業が発展しました。以降、奴隷貿易に関与することで経済的に繁栄し、カリブ海との三角貿易において重要な役割を果たしました。

独立とその後

ロードアイランドは、1776年5月4日、13植民地において最初にイギリス王室への忠誠を破棄しました。1790年にはアメリカ合衆国憲法の批准を行い、最も遅れて参加した植民地となりました。この経緯から、ロードアイランドは特に自由と独立の象徴として評価されています。

その面積は約1,214平方マイルで、地形は平坦であり、特に大きな山がないことが特徴です。また、歴史家たちの中にはその名称の起源に関するさまざまな説があり、探検家ジョバンニ・ダ・ヴェラッツァーノに由来するとの見解もあります。彼がこの地を「ロードアイランド」と名付けた背景には、その地形がギリシャのロドス島に似ていることがあるとされています。ウィリアムズは「プロビデンス」と名づけ、他の島々には美徳を称えた名称を与えました。

このように、ロードアイランド植民地は自由、宗教、多様性の先駆けとしての重要な役割を果たし、その影響は今もなお色濃く残っています。

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