ローマ (戦艦)

戦艦ローマの歴史

イタリア海軍の戦艦「ローマ」（Roma）は、ヴィットリオ・ヴェネト級の4番艦として知られています。この艦名は、イタリアの首都ローマに由来しています。

艦の建造と早期の活躍

「ローマ」は1938年9月18日にトリエステで起工され、1940年6月9日に進水しました。設計と建造の過程には多くの技術が投入され、戦艦としての威厳を持つ姿に仕上がりました。1941年、競合する戦艦「ヴィットリオ・ヴェネト」がマタパン岬沖海戦で損傷を受け、「ローマ」から部品が用いられたことにより、艦の重要性が浮き彫りになりました。

その後、1942年6月に「ローマ」は正式にイタリア海軍に引き渡され、タラントの第9戦隊に配属されました。艦は他の駆逐艦に護衛されながら、数度の移動を経て、作戦に従事しました。特に、ナポリでのアメリカ軍の空襲により、艦は損傷を受け、修理が必要となりました。

空襲と損傷

1943年、ラ・スペツィアでは空襲が頻発し、「ローマ」もその影響を受けます。特に6月5日のアメリカ軍による空襲では、艦首に2発の2000ポンド爆弾が命中し、大きな損害を被りました。穴が開いた船体からは大量の浸水が発生しました。続く空襲でも小型爆弾が命中し、さらなる修理が必要になりました。

その後、艦はジェノバで修理を行った後、再びラ・スペツィアに戻り、艦の復旧作業が行われました。修理が完了し、艦は再度の行動に向けて準備を整えました。

イタリア降伏と艦の運命

1943年9月8日、イタリアが連合国に降伏し、戦艦「ローマ」は艦隊の司令官であるカルロ・ベルガミーニ提督の旗艦として、他の艦艇と共にラ・スペツィアを離れました。艦隊は「ヴィットリオ・ヴェネト」、「イタリア」などを含み、サルデーニャ北部の海域に出ましたが、運命は厳しいものでした。

艦隊はドイツ空軍の攻撃を受け、新型の誘導爆弾フリッツXによる攻撃を受けました。「イタリア」が初めに攻撃を受けた後、続いて「ローマ」に直撃弾が命中。爆発により艦の速力は失われ、艦は炎上を始めました。16時12分、艦は大爆発を起こし、1,350名が犠牲となり、艦は沈没しました。生存者は598名でしたが、多くは重傷を負っていました。

「ローマ」は、誘導爆弾で沈められた最初の主力艦という歴史的な事実を持ちます。この出来事は、第二次世界大戦における海軍戦力のバランスにも影響を与えました。

残骸の発見とその後

2012年には、イタリア海軍が沈没した「ローマ」の残骸をサルデーニャ島の北方30キロ沖、水深1000メートルの地点で発見したと発表しました。この発見は、艦の歴史とその運命を再考させる重要な出来事となりました。「ローマ」の歴史は、イタリア海軍の栄光と悲劇の象徴として、語り継がれています。

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