ローマの謝肉祭 (序曲)

序曲『ローマの謝肉祭』について

序曲『ローマの謝肉祭』（フランス語: Le Carnaval Romain）作品9は、フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズによって1844年に作曲された管弦楽曲です。この作品は、ベルリオーズの数ある序曲の中でも特に人気が高く、演奏される機会も多いことで知られています。

この曲は単独の演奏会用序曲であり、「ローマの謝肉祭」というオペラ自体は存在しません。

作曲の経緯

この曲は、ベルリオーズが1838年に初演したオペラ『ベンヴェヌート・チェッリーニ』が不評に終わったことがきっかけで生まれました。しかし、ベルリオーズはこのオペラに強い愛着を持っており、その主要な旋律を引用して新たな管弦楽曲を制作することを思いつきました。

オペラからは、アリアの主題と「ローマの謝肉祭」の主題が引用され、曲名は後者の主題から「ローマの謝肉祭」と名付けられました。

1844年の初演は大成功を収め、それ以来、この曲はベルリオーズの代表的な管弦楽曲の一つとして広く知られるようになりました。

日本初演は、1916年5月27日に東京音楽学校の管弦楽団によって行われ、グスタフ・クローンが指揮を務めました。これは、ベルリオーズの「幻想交響曲」の日本初演よりも13年も早いものでした。

楽器編成

この曲は、以下の楽器によって演奏されます。

フルート: 2
オーボエ: 2 (うち1つはコーラングレ持ち替え)
クラリネット: 2
ファゴット: 4 (2パート倍管指定)
ホルン: 4
トランペット: 2
コルネット: 2
トロンボーン: 3
打楽器
シンバル
タンブリン
トライアングル
ティンパニ
弦五部
第1ヴァイオリン
第2ヴァイオリン
ヴィオラ
チェロ
コントラバス

曲の構成

この曲は、まず「謝肉祭」の主題による序奏で始まります。その後、コーラングレがアリアの主題を穏やかに奏でます。アリアの主題が変奏された後、場面は一転して「謝肉祭」の喧騒へと移ります。その後、再びアリアの主題が現れ、クライマックスへと向かいます。

この曲は、華やかな謝肉祭の情景と、美しいアリアの旋律が対比的に描かれており、聴衆を魅了します。

参考文献

『作曲家別名曲解説ライブラリー19 ベルリオーズ』（音楽之友社）（ISBN 4276010594）

外部リンク

* ローマの謝肉祭の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト)

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