ローマ市電7000形電車

ローマ市電7000形電車は、イタリアの首都ローマを走る路面[[電車]]です。その特徴は、高い輸送能力を持つ2車体連接車であることで、製造メーカーの「スタンガ」にちなんで、この愛称や「TAS（Treno Articolato Stanga）」という名称でも呼ばれています。

開発の背景と構造

7000形は、従来の車両よりも多くの乗客を運べるようにと開発されました。設計にあたっては、1938年から導入されていた400形電車が参考にされています。また、1942年に試作されたものの、翌年の空襲で破損してしまった車両も参考にされました。

7000形の構造は、前後の車体に動力台車が、車体間には付随台車が設置されています。連接部分には回転式の円形板が設けられています。車体長は20,375mmと長く、後部の乗降扉は幅広くなっています。また、主電動機はTIBB製で出力が増強されており、電磁吸着ブレーキも搭載されています。集電装置は、当初はビューゲルが使用されていましたが、後に変更されました。

製造と導入

1947年から1952年にかけて、合計50両（5001 - 5099、奇数番号のみ）が製造され、ローマ市内の各路線に導入されました。また、1952年には、集電装置を菱形パンタグラフに変更した同型車両が8両（501 - 508）製造され、郊外路線で使用されました。しかし、1980年の地下鉄A線開通により郊外路線が廃止されたため、これらの車両はATACに買収され、改修と車両番号の変更（7101 - 7115、奇数のみ）が行われました。

現在の状況と今後の展望

ATACが導入した車両も1980年代に改修を受け、2023年10月現在、40両が在籍しています。しかし、近い将来、スペインのCAF社製の超低床[[電車]]「ウルボス（Urbos）」に置き換えられる予定です。一方で、一部の車両は動態保存され、歴史的遺産として「アーキオトラム（Archeotram）」で運行されることになっています。

さらに、7021号車は「トラム・リストランテ」、7115号車は「トラムジャズ」として、車内で食事やジャズ演奏を楽しめる観光・イベント用車両として活躍しています。また、2両が文化財として認定され、大切に保管されています。

ローマ市電7000形は、その長い歴史の中でローマ市民の足として、そして観光資源として、重要な役割を果たしてきたと言えるでしょう。




参考資料

* Giovanni Mantovani (2023). “Il tram a Roma”. Quaderno (Ordine degli Ingegneri della Provincia di Roma). https://ording.roma.it/wp-content/uploads/2023/12/Quaderno_3-2023_Web_bassa.pdf 2024年12月12日閲覧。

もう一度検索