ローマ近郊鉄道

ローマ近郊鉄道は、イタリアの首都ローマとその周辺地域を結ぶ重要な交通手段です。トレニタリア（イタリア鉄道）によって運営されており、2015年現在、FL1線からFL8線までの8つの路線が運行されています。これらの路線は、ローマ市内の主要駅と近郊の都市や空港を結び、通勤、通学、観光など、様々な目的で利用されています。

路線の変遷

2012年以前は、これらの路線は「Ferrovie Regionali」（地域鉄道）の略である「FR」という路線名で呼ばれていました。例えば、FR1、FR2というように表示されていました。しかし、2012年以降、「Ferrovie Laziali」（ラツィオ州鉄道）の略である「FL」という路線名に変更されました。これにより、FL1線、FL2線というように表示されるようになりました。

運行上の特徴

ただし、実際の時刻表や駅の電光掲示板では、「FL」という表記はあまり見られません。代わりに、「Regional」や「Regio」といった表示や、「R」に続く列車番号（例：R12345）が用いられることが一般的です。これは、利用者が路線名を意識することなく、目的地や列車番号で判断できるように配慮されているためと考えられます。

各路線の詳細

以下に、各路線の詳細を記します。

ローマ近郊鉄道FL1線
オルテ - ローマ - フィウミチーノ空港間を結ぶ路線です。ローマ市内とフィウミチーノ空港間のアクセスに便利で、観光客にも利用されています。
ローマ近郊鉄道FL2線
ローマ・ティブルティーナ駅とティヴォリを結ぶ路線です。ティヴォリには、世界遺産にも登録されているヴィッラ・デステなどがあります。
ローマ近郊鉄道FL3線
ローマ・オスティエンセ駅とヴィテルボを結ぶ路線です。ヴィテルボは歴史的な街並みが残る都市です。
ローマ近郊鉄道FL4線
ローマ・テルミニ駅を起点に、ヴェッレトリ、アルバーノ・ラツィアーレ、フラスカーティの各方面へ向かう路線です。これらの都市は、ローマ近郊の丘陵地帯に位置し、美しい景観が楽しめます。
ローマ近郊鉄道FL5線
ローマ・テルミニ駅とチヴィタヴェッキアを結ぶ路線です。チヴィタヴェッキアは港町で、クルーズ船の発着地としても知られています。
ローマ近郊鉄道FL6線
ローマ・テルミニ駅とカッシーノを結ぶ路線です。カッシーノには、モンテ・カッシーノ修道院があります。
ローマ近郊鉄道FL7線
ローマ・テルミニ駅とミントゥルノ＝スカウリを結ぶ路線です。ミントゥルノは海沿いの町で、古代ローマ時代の遺跡も残っています。
ローマ近郊鉄道FL8線
ローマ・テルミニ駅とネットゥーノを結ぶ路線です。ネットゥーノは海沿いのリゾート地として知られています。

その他の鉄道との関係

ローマには、ATAC（ローマの公共交通企業）が運営する都市鉄道も存在します。ATACが運営する3路線（ローマ＝リード線、ローマ＝ジャルディネッティ線、ローマ＝チーヴィタ・カステッラーナ＝ヴィテルボ線）も、「ローマ近郊鉄道」に含める場合もありますが、本記事では、トレニタリアが運営する路線のみを「ローマ近郊鉄道」として扱っています。これは、参考にした英語版Wikipediaの記事（en:FL lines）の定義に基づいています。

外部リンク

* トレニタリア（イタリア語）

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