ローラ・B11/40

ローラ・B11/40：革新的なLMP2レーシングカー

ローラ・カーズ社によって製造されたローラ・B11/40は、ACO（フランス西部自動車クラブ）が定めた新たなLMP2規定に基づき設計された、オープントップタイプのプロトタイプレーシングカーです。このマシンは、コストを抑えつつ高い競争力を実現するために開発されました。

コスト効率と多様な選択肢

B11/40の開発における重要な要素はコスト管理でした。ACOの新規定では、エンジンの上限価格が75,000ユーロ、エンジンを除くシャーシが325,000ユーロ、車両全体で400,000ユーロと定められており、B11/40はこれらのコスト制限を満たすように設計されています。さらに、BMW、フォード、HPD、ジャガー、ジャッド、日産、トヨタなど、複数のメーカーからエンジンを選択できる柔軟性も備えています。この多様な選択肢により、チームは予算や戦略に合わせて最適なエンジンを選択することが可能でした。

高度な技術と空力性能

2010年7月21日に発表されたB11/40は、軽量かつ高剛性のカーボンファイバー製モノコックシャシーをベースとしています。オールカーボン製のボディキットは、優れた空力性能を実現し、高速走行時の安定性を向上させています。また、新規定で求められる安全基準を満たすために、エンジンカバーの安定化フィンを備えた、着脱可能なリアボディワークを採用しています。このクイックリリース機構により、ピット作業の効率化が図られています。

レース戦績：輝かしい成果と惜敗

B11/40は、複数のチームによって様々なレースシリーズで参戦されました。その中でも特に活躍が目立ったのが、レベル5モータースポーツとペコムレーシングです。

レベル5モータースポーツは、2011年のアメリカン・ル・マン・シリーズにB11/40で参戦し、LMP2クラスで2度の優勝を達成しました。これは、B11/40の高い戦闘能力を証明する素晴らしい成果と言えるでしょう。

ペコムレーシングもまた、2011年のル・マン・シリーズにB11/40で参戦し、開幕戦ではLMP2クラスで2位を獲得しました。しかし、同年のル・マン24時間レースでは、残念ながらリタイヤという結果に終わっています。

結論：成功と課題

ローラ・B11/40は、低コストでありながら高い性能を備えた、革新的なLMP2プロトタイプレーシングカーでした。複数のチームによって使用され、アメリカン・ル・マン・シリーズで優勝を収めるなど、輝かしい戦績を残しました。一方で、ル・マン24時間レースでのリタイヤは、さらなる改良の余地を示唆しています。B11/40は、コスト効率と競争力の両立を目指す、現代のプロトタイプレーシングカー設計における重要なマイルストーンとして記憶されています。

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