ロールス・ロイス BR700

BR700エンジンシリーズ

BR700は、BMWとロールス・ロイス・ホールディングスの合弁会社であるBMW・ロールス・ロイス（現ロールス・ロイス・ドイツ）によって開発されたエンジンシリーズです。1990年に合弁会社が設立され、最初のエンジン（BR710）の運転は1994年に行われました。

派生機種

BR700シリーズには、いくつかの派生機種が存在します。

BR710-A1-10, C2-20
ツインシャフトターボファンであるBR710は、1997年にガルフストリームV、1998年にはボンバルディア グローバル・エクスプレスに搭載されました。この機種は、ガルフストリームG550/G500のエンジンとしても採用されています。排気システムを修正した関連機種が、BAE ニムロッドMRA.4に提供される予定でした。
BR710は、2段の低圧タービンで駆動される直径48インチの1段ファン、2段の空冷高圧タービンで駆動される過給10段高圧コンプレッサで構成されています（高圧コンプレッサはV2500ユニットを基にしています）。

BR715-A1-30, B1-30, C1-30
BR715もツインシャフトターボファンであり、1997年4月に最初の運転を行い、1999年中頃から実運用を開始しました。この機種は、ボーイング717のエンジンとして採用されています。
直径58インチ（約150cm）の単段ファンと、2段低圧コンプレッサ、3段の低圧タービンから成る新開発の低圧軸を有しています。高圧軸はBR710のものと類似しています。中圧コンプレッサブースターステージはエンジンコアを過給し、コアの出力とエンジンの推力を増大させます。排気騒音の要件を満足させるために、大きなファンを使用し比推力を十分に低く抑えています。

BR725
BR725は、ガルフストリームG650向けに開発された新しいエンジンです。最大で17000lbf（約75.6kN）の推力を発生します。
バイパス比は4.4:1であり、BR710よりも騒音を4db低減しています。ファンは直径50インチ（約127cm）で、24本のチタン製ブレードで構成されています。
BR725のプロトタイプは、2008年4月時点で構成ユニットのベンチテストを受けており、完全に動作する最初のエンジンは2008年春の終わりに完成する予定でした。
2021年9月24日には、アメリカ空軍のB-52H戦略爆撃機の換装用エンジンとして、BR725の軍用タイプであるF130が採用されたことが発表されました。F130の出力は従来のP&W TF33と同等であるため、2発1組で8発搭載されることになります。

BR700エンジンシリーズは、その高い信頼性と効率性により、様々な航空機に採用され、航空業界に貢献しています。

参考情報

BR700: Technical data
BR710: The record-setter for very long range business jets
BR715: Short-haul, high frequency, dependable power

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