ワイドニュース

ワイドニュースとは

「ワイドニュース」とは、日本のテレビ局やラジオ局で制作・放送される報道番組、あるいは教養番組の一種を指す名称です。特に、従来の短い時間枠のニュース番組と比較して、数十分以上の長い放送枠を確保し、より詳細な情報伝達や多角的な視点からの解説を盛り込む大型のニュース番組全般を指す言葉として広く用いられています。この点で、特定の出来事を簡潔に伝えるストレートニュースや、速報的な性格を持つスポットニュースとは対義的なニュアンスを持つことがあります。

ワイドニュースという名称は、その名の通り「広い」範囲の情報や「広範」な視点を提供することを目指した番組形式を表現しています。多くの場合、単なる出来事の羅列にとどまらず、背景解説、専門家やコメンテーターによる分析、視聴者からの反響、特集企画などを組み込み、ニュースの多面性を掘り下げようとします。これにより、視聴者は出来事の本質や影響についてより深く理解することが期待されます。

「ワイドニュース」の名称が使用された番組

「ワイドニュース」という言葉は、過去から現在に至るまで、多くの放送局や番組名に採用されてきました。以下に、その一部を挙げます。

現在「ワイドニュース」を名乗る番組

現在でも「ワイドニュース」を番組名に冠している例としては、以下のようなものがあります。

YBSワイドニュース: 山梨放送（YBS）で放送されているニュース番組です。過去には「山日YBSワイドニュース・プラス1」「山日YBSワイドニュース」といった名称変更を経て、現在のタイトルに至っています。
東北ワイドニュース: NHK仙台放送局のラジオ第1放送で、平日夕方に東北地方向けの地域ニュースとして放送されています。

過去に「ワイドニュース」を名乗っていた番組

かつては、全国ネットや地方局の主要なニュース番組において、「ワイドニュース」の名称が頻繁に使用されていました。これは、ニュース番組の大型化が進んだ時期に、その特徴を明確に打ち出す意図があったと考えられます。

ワイドニュース (東京12チャンネル): 現在のテレビ東京である東京12チャンネルで放送されていた番組です。
NNNワイドニュース: 日本テレビ（NNN）系列でかつて放送されていた、主に昼の時間帯のニュース番組です。
FNNワイドニュース: フジテレビ（FNN）系列で1968年に土曜日の夕方に放送されたニュース番組です。
ANN（系列局名）夜のワイドニュース: かつてANN系列の各地方局で、夜の時間帯に放送されていたローカルニュース番組の一部がこの名称を使用していました。
FCTワイドニュース: 福島中央テレビで放送されていた番組名です。
GTVワイドニュース: 群馬テレビ（GTV）で放送されていた、当時の主要なニュース番組でした。
三重テレビワイドニュース: 三重テレビ放送で放送されていた番組です。
KTVワイドニュース: 関西テレビで、全国ネットのニュース番組（例: 『FNNニュースレポート11:30』『FNNスピーク』など）のタイトルを差し替えて放送する際に使用された名称です。
tssワイドニュース: テレビ新広島で、全国ネットのニュース番組（例: 『FNNスーパータイム』）のタイトルを差し替えて放送する際に使用された名称です。
ワイドニュース日本海: 日本海テレビジョン放送で放送されていた番組です。
RNCワイドニュースプラス1: 西日本放送で放送されていた『ニュースプラス1』のローカルニュース枠を指す名称として使用されました。

これらの例からわかるように、「ワイドニュース」という名称は、特に地方局において、その局の看板となるような、情報量を重視したニュース番組の名称として好んで使われる傾向がありました。また、キー局の全国ニュースのローカル差し替え部分にこの名称を冠する例も見られました。

特異な名称使用例

日常的な番組名としての使用とは別に、特別な状況下で一時的に「ワイドニュース」の名称が用いられた事例もあります。

昭和天皇崩御時（1989年）のフジテレビ系列: 昭和天皇が崩御された1989年 1月7日とその翌日（1月8日）、フジテレビ系列では、崩御の報を受けて報道特別体制が組まれました。この際、スポットニュース枠を除く通常のニュース放送時間帯は、すべて「ワイドニュース」という名称で放送されました。これは、厳粛な状況下で、通常の定時ニュースよりも拡充された情報を提供するための名称として用いられた特別なケースでした。

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