ワイドレシーバー (アメリカンフットボール)

ワイドレシーバー（WR）

アメリカンフットボールおよびカナディアンフットボールにおいて、ワイドレシーバー（WR）はチームの攻撃における重要なポジションです。ゲームが開始される際、WRは通常、フィールドの両サイドでサイドラインに近い位置に立ちます。彼らは非常に速い能力を要求されるポジションであり、その役割は主にパスプレーにおけるパスキャッチの専門家となります。また、フィールド上ではコーナーバックやランニングバックと同じく、高いスピードと敏捷性が求められ、プレーの結果に大きな影響を与えます。実際のプレーにおいては、パスプレーにおいて一度のキャッチで数十ヤード前進し、走り続けることでタッチダウンに繋がる可能性を秘めています。

ワイドレシーバーの役割

ワイドレシーバーが果たす主な役割は、守備側のコーナーバックなどのマークをかわし、クォーターバックからのパスをキャッチすることです。事前に設定されたパスルートに従い、瞬時の判断力と走行技術が求められます。キャッチ時にはボールが地面に触れると失敗とみなされるため、高度な集中力とスキルが必要です。またランプレーの際には、味方ランナーのためにディフェンダーをブロックすることもあります。このブロックは通常、事前に決められた相手ディフェンダーをターゲットに行います。時には、パスルートを走ることで相手を引き離し、ランプレーが成功することを手助けする役割も果たします。

ワイドレシーバーの歴史

ワイドレシーバーの起源は、アメリカンフットボールの初期にまで遡ります。当初、エンドと呼ばれるポジションはオフェンスラインの隣、つまりオフェンシブタックルの近くにいて、受け手として使用されていました。このエンドは後にタイトエンド（TE）に進化しています。1930年代に入ると、いくつかのチームはエンドをサイドライン近くに移動させ、ディフェンダーと距離を取り、パスプレーでより効果的な動きをする試みを始めました。このような戦略が「スプリットエンド」というポジションの誕生につながり、これが現代のワイドレシーバーの基礎となりました。

ワイドレシーバーのタイプ

ワイドレシーバーには、ゲームプランに基づき特定の役割が与えられています。

• - スプリットエンド (X or SE): スクリメージライン上に位置し、攻撃の最前線でプレーします。このポジションは、守備側の注意を引くために外側に配置されます。
• - フランカー (Z or FL): スクリメージラインの近くから少し後ろに立ち、ボールを受ける準備をします。
• - スロットバック（SB）: タックルとスプリットエンドの間に位置するレシーバーで、守備の隙間をついてプレーします。
• - ウィングバック（WB）: タイトエンドの隣でバックフィールド内にセットされるレシーバーで、特定の戦略に応じて使用されることがあります。

背番号

ワイドレシーバーの背番号は1973年に80から89に制限されていましたが、1996年にキーショーン・ジョンソンが19番を使用することを求めたことで規則が変更され、2004年からは10から19番も使用できるようになりました。2021年のルール改訂後には、ワイドレシーバーは1から49、80から89の番号を選ぶことができ、選択肢はさらに広がりました。これにより、現代の攻撃戦略において多様なプレイヤー番号が活用されるようになっています。

ワイドレシーバーは、ただのパスキャッチャーに留まらず、攻撃全体の戦略に深く関与し、試合の流れを左右する重要な存在となっています。

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