ワイヤ・アンド・ワイヤレス

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレス：日本の公衆無線LANサービスを牽引する企業

株式会社ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、日本の通信業界において、公衆無線LANサービスの主要プレイヤーとして知られています。同社の歴史は、2007年6月、アッカ・ネットワークスによるWiMAX事業子会社として設立されたことに始まります。当初はNTTドコモとの合弁による2.5GHz帯免許取得を目指していましたが、これは実現せず、同社は無線LANサービスに軸足を移すことになります。

2008年7月、横浜市産業観光局の協力の下、無線LANパイロットサービス「skeletown」を開始。このサービスを通して事業性の検証を行い、無線LANを中心とした事業展開へ舵を切りました。その後、京急グループや東京空港交通との協業を通じて、タクシーやリムジンバス車内での無線LAN接続サービスの実証実験を実施し、事業基盤を強化しました。

2009年1月、イグナイト・グループ傘下のAGSアドバイザリーに株式譲渡され、社名を現在の「ワイヤ・アンド・ワイヤレス」に変更。同年4月には、公衆無線LANサービス「Wi2 300」を正式に開始し、本格的なサービス展開をスタートさせました。このサービスは、日本で初めてIEEE802.11n規格による300Mbpsの高速接続を実現したことで注目を集めました。

2010年10月には、KDDIとの業務・資本提携を締結し、KDDIの子会社となりました。この提携は、同社の事業拡大に大きく貢献しました。2011年6月30日には、KDDIとの連携の下、auスマートフォンのユーザー向け公衆無線LAN接続サービス「au Wi-Fi SPOT」を開始し、サービスポートフォリオをさらに拡充しました。

Wi2 300：高速接続と多様な料金プラン

Wi2 300は、ワイヤ・アンド・ワイヤレスの主力サービスです。月額定額プランに加え、時間単位での利用が可能なワンタイムプランを用意することで、利用者のニーズに合わせた柔軟な料金体系を提供しています。過去には従量制プランも提供していましたが、現在は月額固定プランとワンタイムプランが中心となっています。

広範な提携とローミングによるエリア拡大

ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、ビックカメラグループ、九州通信ネットワーク、Hi-Bit、朝日ネットなど、数多くのプロバイダーと提携し、それぞれのサービスに公衆無線LANを提供しています。また、ソフトバンクのBBモバイルポイント、UQコミュニケーションズのUQ Wi-Fiなどとのローミング契約により、サービスエリアを大幅に拡大しています。さらに、FREESPOT協議会との提携により、FREESPOTアクセスポイントも利用可能となり、13,000ヶ所以上のアクセスポイントを提供しています。

自社アクセスポイントとSSID

ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、東京・丸の内、横浜市内、東京工業大学キャンパスなど、主要エリアに自社直営のアクセスポイントを設置しています。これらのアクセスポイントでは、高速通信規格であるIEEE802.11nに対応しているものが多く、地域情報へのアクセスも可能です。SSIDは、Wi2、Wi2_club、Wi2_free、wifi_squareなど、サービス内容によって使い分けられています。オプションエリアへの接続には、時間課金のオプションエリアチケットが必要となります。

訪日外国人観光客向けサービス：TRAVEL JAPAN Wi-Fi

訪日外国人観光客向けの無料公衆無線LANサービス「TRAVEL JAPAN Wi-Fi」も提供しています。専用のアプリを利用することで、Wi2 300のベーシックエリアとオプションエリアを無料で利用できます。

その他のサービス

ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、Wi2 300以外にも、ギガぞうアプリ、au Wi-Fiアクセス、Wi-Fi構築サービス、Wi-Fiスクエアなど、多様なサービスを提供しています。ギガぞうアプリは、Wi-Fiスポットへの自動接続、VPN機能、通信最適化機能を提供し、au Wi-Fiアクセスはauユーザー向けの無料サービスです。また、多くの企業や自治体のWi-Fiインフラ構築にも携わっています。

まとめ

ワイヤ・アンド・ワイヤレスは、公衆無線LANサービスのパイオニアとして、日本の無線通信インフラ整備に大きく貢献しています。多様な料金プラン、広範なローミングエリア、そして訪日外国人観光客向けのサービスなど、利用者のニーズに対応した多様なサービスを提供し続けることで、今後も日本の通信業界において重要な役割を果たしていくことが期待されます。

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