アッカ・ネットワークス

アッカ・ネットワークスの軌跡

株式会社アッカ・ネットワークス（ACCA Networks）は、かつて日本に存在した電気通信事業者です。主にADSLや光ファイバー回線などのデジタル加入者線サービスを提供していました。最末期には、イー・アクセス（後のワイモバイル）の子会社となり、その傘下で事業を展開していました。

高品質なネットワークと法人向けサービス

アッカは、ADSLモデムからバックボーンまでフルATM（Asynchronous Transfer Mode）ネットワークを構築し、法人向けの高額な専用線の代替となるセキュリティ、回線品質、QoSを実現していました。この高品質なネットワークが、アッカの強みの一つでした。

イー・アクセスによる吸収合併

2009年6月29日、アッカはイー・アクセスに吸収合併され、会社組織としての歴史に幕を閉じました。しかし、アッカが提供していたサービスはイー・アクセスに引き継がれ、その後も継続されました。

アッカ・ネットワークスの歴史

創立と回線業者としての地位確立

アッカは、東京都や政令指定都市周辺の地区を対象に、特定のインターネット・サービス・プロバイダと提携し、ADSLや光ファイバー回線とプロバイダ契約を一括して提供する方式を採用していました。2000年11月には、モニターを対象にADSLサービスの無料提供を開始しました。

2001年には、下り最大通信速度が8Mbpsとなり、その後も2002年に12Mbps、2004年には50Mbpsへと高速化が進みました。2005年には、JASDAQへの上場を果たし、企業としての地位を確立しました。

しかし、2001年末から2002年初頭にかけて、回線環境が良好でない場合や特定のモデムを使用している場合に通信が不調となる事象が発生しました。また、2004年には顧客の個人情報流出が問題となるなど、課題も抱えていました。

WiMAX事業展開構想と挫折

2006年に入ると、アッカはWiMAX規格の通信技術を用いた無線通信実験を行うなど、固定回線通信から無線通信への事業展開を模索していました。2007年には、NTTドコモとの合弁会社アッカ・ワイヤレスを通じてモバイルWiMAXサービスの開始を目指しましたが、2.5GHz帯免許申請に落選し、事業化は実現しませんでした。

企業力低下とイー・アクセスによる筆頭株主化

2008年1月、イー・アクセスがアッカの発行済み株式の12.69%を取得し、筆頭株主となりました。これにより、アッカの経営は大きな転換期を迎えることになりました。イー・アクセスは、アッカの経営陣の退任と自社からの取締役選任を提案しましたが、アッカの社長が急遽退任したため、提案は取り下げられました。

イー・アクセスとの提携から合併へ

2008年7月、アッカはイー・アクセスと資本・業務提携を締結し、イー・アクセスの子会社となりました。同年10月には、イー・アクセスによる株式公開買い付けが実施され、アッカは非モバイルブロードバンド事業の存続を選択し、会社組織を終息させる道を選びました。

そして、2009年6月25日、イー・アクセスはアッカを吸収合併し、アッカ・ネットワークスは会社としての歴史を終えました。イー・アクセスは、合併後もアッカのサービスサポートを継続し、非モバイルブロードバンド事業の一体化と事業効率化による経営基盤の強化を図りました。

その後

イー・アクセスは、その後ソフトバンクモバイルに吸収合併され、2016年度をもって旧アッカ・ネットワークスのDSLサービスおよび法人光アクセスサービスを終了しました。

沿革

2000年3月15日：会社設立
2000年4月：一般第二種電気通信事業者届出完了
2000年8月10日：NTTコミュニケーションズなどと戦略的事業提携
2001年1月29日：ADSL事業開始
2001年9月：G.dmt AnnexC方式による8Mサービス開始
2002年7月24日：G.dmt AnnexCの拡張技術による10Mサービス開始
2002年10月3日：G.dmt AnnexC.xによる下り12Mサービス開始
2003年：G.992.1 AnnexI方式による下り26Mサービス開始
2004年2月：Quad Spectrum技術による下り40Mサービス開始
2004年3月25日：顧客情報流出を発表
2005年3月4日：JASDAQに株式上場
2006年6月：横須賀リサーチパークでモバイルWiMAXの実証実験開始
2006年12月：横浜市都心部でモバイルWiMAX実証実験開始
2007年1月30日：動画コミュニティサービスzoome開始
2007年7月：アッカ・ワイヤレス設立
2007年1[[2月21日]]：イー・アクセスが筆頭株主となる
2008年3月7日：三井物産保有の全株式を自己株式として取得
2008年6月2日：動画共有サイトzoome事業を分社化
2008年7月31日：イー・アクセスと資本・業務提携
2008年8月15日：イー・アクセスに対し第三者割当増資を実施
2008年10月30日：イー・アクセスが株式公開買い付けを実施
2008年10月31日：zoomeの全株式をアイティメディアに譲渡
2009年1月19日：アッカ・ワイヤレスの株式を譲渡
2009年2月1日：アッカ・ソリューションズを吸収合併
2009年6月25日：イー・アクセスがアッカを吸収合併
2015年4月1日：ソフトバンクモバイルがワイモバイルを吸収合併
2017年3月31日：旧アッカ・ネットワークスのDSLサービス、法人光アクセスサービス終了

アッカが回線を提供していた主なサービスプロバイダー

個人向けISP

ASAHIネット
BIGLOBE
DION
DTI
ドリームネット
FreeBit
hi-ho
isao.net
ネットラピュタ
@nifty
まねきねこ
OCN
So-net|so-net
SANNET
TikiTikiインターネット
UCOM
WAKWAK
WILLCOM

法人向けサービス

NTTコミュニケーションズ
OCN (固定IPインターネット接続)
セキュアOCN
Group-VPN
Arcstar IP-VPN
e-VLAN
Etherアークストリーム
HOTSPOT
VoDSL(Arcstarダイレクト)
KDDI
固定IPインターネット接続
ANDROMEGA(KDDI IP-VPN)
KDDI Ether-VPN
日本テレコム
SOLTERIA(IP-VPN)
Wide-Ether
ODN法人向けインターネット接続
NTT-ME
XePhion(IP-VPN)
Sony
bit-drive(固定IPインターネット接続)
NTT-PCコミュニケーションズ
CUNets (IP-VPN)
パワードコム
Powered Ethernet
Kオプティコム
VIC東海
丸紅
ヴェクタント
FUSIONコミュニケーションズ
IIJ
MIND(三菱電機インフォメーションネットワーク)
大塚商会

主な出資者

イー・アクセス
NTTコミュニケーションズ
IT2000投資事業有限責任組合（イグナイトジャパン）
コバッド・コミュニケーションズ（アメリカ）

脚注

[1] 2004年8月26日には33万9177人分の外部流出を発表

関連項目

ワイモバイル：旧イー・アクセス時代にアッカを子会社化し、最終的に合併。
湯崎英彦：創立者の一人、元副社長。2009年に広島県知事に当選
新有楽町ビルヂング

外部リンク

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* カスタマーサービス担当 (@ymobile_Care) - X

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