ワカタカ

ワカタカ - 初代日本ダービー馬

ワカタカは1929年3月17日に千葉県の下総御料牧場で誕生しました。幼名は「朝信」と呼ばれ、父はイギリスクラシック三冠馬のエッセンスを受け継ぐトウルヌソルで、母はサラブレッド系の種信です。馬主は中山競馬場設立に携わった乾鼎一、調教を担当したのは東原玉造でした。

競走馬時代

ワカタカは1932年、3歳でデビューしますが、初戦では5着に終わります。しかし、その後の新呼戦では道悪をものともせずに圧勝。これにより新設された第1回東京優駿大競走（現在の日本ダービー）への出走が決まります。

この東京優駿大競走は、その後の東京優駿につながる重要なレースで、1932年に行われたその初回は19頭が出走。ワカタカは前戦の圧勝を背景に、1.95倍の断然人気を背負って参加します。レースでは、函館孫作騎手が見事にその期待に応え、オオツカヤマを4馬身差で退けて勝利し、初代日本ダービー馬の栄誉を手にしました。特に、前の騎手からの詳細な指示に対し、「腕が違う」といって自信を持ってレースを支配したエピソードが語られています。

さらに、彼は東京優駿大競走以降も活躍を続け、帝室御賞典や横浜特別などの競走で次々と勝利を重ねました。特に、現役最後のトーナメントレースでは重い斤量を背負いながら見事に2勝を挙げ、彼の能力の高さを証明しています。

引退後

ワカタカはその競走生活を終えた後、日高種馬牧場にて国有種牡馬として新たな役割を担いますが、サラブレッド系であったために繁殖の面では限界がありました。彼がつけた繁殖牝馬は主に中間種であり、その代表的な子孫はアラブ競走で活躍しました。しかし、彼自身は1943年に廃用となり、その後は静内農学校で乗用馬として使用される運命を辿ります。

1945年、ワカタカは慢性肺気腫によりこの世を去り、彼の遺体は静内農学校内の獣魂碑の下に埋葬されました。また、彼の出走シーンは2012年に日本中央競馬会が放映したCMに使われ、時を超えてその姿は人々の記憶に残り続けています。

年度別競走成績

• - 1932年（11戦7勝）

- 東京優駿大競走
- 帝室御賞典
- 横浜特別

• - 1933年（10戦5勝）

ワカタカは日本競馬の歴史にその名を刻み、多くのファンに愛され続ける馬となりました。競走成績や彼の活躍が後の世代に与えた影響は計り知れません。

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