ワットフォード・ジャンクション駅

ワットフォード・ジャンクション駅：ロンドン近郊交通の要衝

ワットフォード・ジャンクション駅は、イギリスのハートフォードシャー州ワットフォード中心部に位置する主要な鉄道駅です。ウェスト・コースト本線の重要な中継地点であると同時に、アビー線の起点、そしてワットフォード直流線の北端という、重要な役割を担っています。

多様な鉄道会社と路線網

この駅に乗り入れているのは、アヴァンティ・ウェスト・コースト、ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ（ウェスト・ミッドランズ・トレインズ）、サザン（ゴヴィア・テムズリンク・レールウェイ）、カレドニアン・スリーパー、そしてロンドン・オーバーグラウンドの5社。実に多様な路線が接続し、乗客は広範囲へのアクセスを容易に利用できます。駅はトラベルカード・ゾーンスペシャル内に含まれており、ロンドンの公共交通網とシームレスに接続されています。

駅の構造とホーム

ワットフォード・ジャンクション駅は11本のホームを有しています。ロンドン・オーバーグラウンドが1～4番線を使用し、長距離列車は6、7番線、近郊路線が8～10番線を運行します。アビー線は11番線から発着します。5番線は1980年代の改修以降使用されていません。10番線は当駅折り返し専用のホームとなっています。

ロンドン・オーバーグラウンドのホームは部分的に屋根で覆われていますが、ナショナル・レールのホームは屋根が少なく、いくつかの待合室が設置されているのみです。

運行状況

日中の運行本数は以下のとおりです（1時間あたり）。

上り（南行）

アヴァンティ・ウェスト・コースト：ユーストン駅行き（降車のみ）1本
ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ：ユーストン駅行き5本
サザン：イースト・クロイドン駅行き1本
カレドニアン・スリーパー：ユーストン駅行き（降車のみ）1本（毎日）

下り（北行）

アヴァンティ・ウェスト・コースト：バーミンガム・ニューストリート駅行き1本
ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ：トリング駅行き2本、ミルトン・キーンズ・セントラル駅行き1本、ルジュリー・トレント・ヴァレー駅行き1本、リヴァプール・ライム・ストリート駅行き1本
サザン：ミルトン・キーンズ・セントラル駅行き1本
カレドニアン・スリーパー：アバディーン駅・インヴァネス駅・フォート・ウィリアム駅行き1本（毎日）、グラスゴー・セントラル駅・エディンバラ・ウェイヴァリー駅行き1本（毎日）

アビー線

ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ：セント・オールバンズ・アビー駅行き1本

ロンドン・オーバーグラウンド（南行のみ）

ユーストン駅行き4本

歴史

ワットフォード・ジャンクション駅の起源は1837年7月、ロンドン・アンド・バーミンガム鉄道(L&BR)の開業まで遡ります。当初の駅は現在の場所よりも北に位置していましたが、1858年5月、セント・オールバンズへの支線（現在のアビー線）の開通に伴い、現在の位置に移転し、「ジャンクション」の名を冠することになりました。

1862年にはワットフォード・アンド・リックマンズワース鉄道も乗り入れを開始。この路線の大部分は廃線となりましたが、一部区間は現在のロンドン・オーバーグラウンドのワットフォード直流線として残っています。

1912年には、ユーストン駅とワットフォードを結ぶ直流電化路線が開業。1917年には、ロンドン地下鉄のベーカールー線が乗り入れましたが、1982年には直通運転が終了しました。

1984年には大規模な改修が行われ、19世紀末に建設された駅舎はオフィスビルに建て替えられ、アビー線の配線とホームの位置が変更されました。この改修により、5番線が撤去され、10番線が折り返し専用ホームとなりました。

2013年には、駅周辺のバス乗り場や歩行者空間の改修が行われ、駅は現代的な利便性を備えたものとなりました。

隣の駅

ロンドン・オーバーグラウンド：ワットフォード・ハイストリート駅
アヴァンティ・ウェスト・コースト：ユーストン駅、ミルトン・キーンズ・セントラル駅、ラグビー駅、コヴェントリー駅
ロンドン・ノースウェスタン・レールウェイ：ユーストン駅、ブッシー駅、ハーロウ&ウィールドストーン駅、キングス・ラングレー駅、ヘメル・ヘムステッド駅、ミルトン・キーンズ・セントラル駅、ワットフォード・ノース駅
サザン：ハーロウ&ウィールドストーン駅、ヘメル・ヘムステッド駅
* カレドニアン・スリーパー：ユーストン駅、クルー駅、カーライル駅

ワットフォード・ジャンクション駅は、歴史と現代性を融合させた、ロンドン近郊交通の重要な拠点となっています。その変遷と現在の役割を理解することで、この駅の重要性がより一層際立ってくるでしょう。

もう一度検索