ワルグラトラム

ワルグラトラム

ワルグラトラムは、アルジェリアのワルグラ市で運行される路面電車です。2000年代以降、アルジェリア政府は主要都市において軌道交通を整備する方針を取り、ワルグラもその一環として2018年に路面電車が開通しました。このプロジェクトは、豊富な石油や天然ガス資源を持つ砂漠の街としての特性を生かしたものです。特に開通式では、装飾されたラクダが参加し、地域の特色を表現しました。

ワルグラトラムの運営は、アルジェリア各地で展開される路面電車と同様に、公共交通事業者の出資によって設立された特別目的会社であるセトラム（SETRAM）が行っています。2020年時点で、ワルグラトラムは、新旧市街地を結ぶ全長9.6 kmの路線を有しており、大学や鉄道駅、バスターミナルへの接続がなされています。電停は終端を含む16箇所に設けられ、最大24両が収容可能な車両基地も新旧市街地の中間地点に設置されています。

特にワルグラは乾燥した砂漠地帯に位置しており、気温差が大きいため、線路の材料にはR260鋼が用いられており、適切な熱膨張特性を持っています。また、建設作業は気温が摂氏30℃を下回る時期に集中して行われました。運行は最短5分間隔で行われ、早朝や夜間でも通常15分間隔の高頻度運転を維持しています。始発は午前5時30分、最終列車は午後10時に出発し、ラマダーン期間中は特別な運行時間が適用されます。運賃は片道30ディナールで、24時間や1週間有効の乗車券も提供されています。

車両

ワルグラトラムで使用される車両は、フランスのアルストムが製造した超低床電車「シタディス402」です。この車両は2016年にアンナバで作られた23両で、砂漠気候に対応するために空調装置が強化されています。さらに、塗装や窓のデザインには砂嵐への対策が施されています。外装は砂漠の風景を反映した白と薄茶色で統一されており、車内は緑色に塗られていてリラックス効果をもたらすよう工夫されています。

今後の計画

2019年の時点では、ワルグラトラムには旧市街を含む約3 kmの区間を含む3つの延伸計画が存在しています。これにより、さらに利便性が向上することが期待されています。

このように、ワルグラトラムは地域の交通インフラの一環として機能し、砂漠特有の気候に適応した設計と運営がなされています。

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