ワルサーカンプピストル

ワルサー・カンプピストーレは、1930年代にドイツのワルサー社によって開発された小型の擲弾発射器です。ドイツ語の発音に近い表記は「ヴァルター・カンプフピストーレ」となります。

開発経緯

当時、ワルサー社は26.6mm信号拳銃を開発していました。しかし、戦場ではこの信号拳銃に手榴弾を取り付けて、即席の擲弾発射器として使用されることがありました。そこでドイツ陸軍は、ワルサー社に対して、この信号拳銃を本格的な擲弾発射器として改良することを要求しました。

これを受けてワルサー社は、信号拳銃の滑腔銃身にライフリングを施し、小型榴弾の発射に適した兵器としてカンプピストーレを開発しました。カンプピストーレ（Kampfpistole）とは、ドイツ語で「戦闘拳銃」を意味します。

特徴

外見は従来の信号拳銃とほとんど変わりませんが、銃身の左横に「Z」の文字が刻印されているのが特徴です。この刻印から「Z（ツェット）ピストーレ」とも呼ばれます。信号弾の発射も可能でした。

当初は信号弾サイズの小型榴弾のみを発射可能でしたが、後に銃口側から差し込む大口径で威力の高い榴弾が使用できるようになりました。成形炸薬弾タイプも開発され、軽装甲を打ち抜くほどの威力を持つようになり、小型の対装甲車両兵器として使用されました。

しかし、弾頭の大型化に伴い反動が強くなったため、折り畳み可能なストックや照準器を装備した発展型のシュトゥルムピストーレも開発されました。

登場作品

カンプピストーレ、またはシュトゥルムピストーレは、以下の作品に登場しています。

映画
『ケルベロス-地獄の番犬』
『フューリー』(2014年の映画)
アニメ・漫画
『人狼 JIN-ROH』
『Fate/Zero|Fate_Zero』
『エクスドライバー』
『機動警察パトレイバー the Movie|機動警察パトレイバー_the_Movie』
『ジオブリーダーズ』
『ブレイブウィッチーズ』
ゲーム
『Enlisted』 (シュトゥルムピストーレ)
『バトルフィールドV』
『メタルギアソリッド ピースウォーカー』

関連項目

信号拳銃
照明弾
擲弾発射器
ワルサー
自動擲弾発射器
近接防御兵器

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