ワンダースタジアム
『ワンダースタジアム』は、ナムコが開発を手掛け、
バンダイから
1999年3月11日に
ワンダースワン向けに発売された野球シミュレーションゲームです。日本国内専用タイトルとしてリリースされました。また、同年
9月30日には、主に選手データが
1999年シーズン途中のものに更新された『ワンダースタジアム'99』も発売されており、本項ではこちらも合わせて解説します。
概要
ナムコが開発した
ワンダースワン用ソフトの多くは、
バンダイを通じて発売されており、本作もその一つです。
ファミスタシリーズの携帯ゲーム機向けタイトルとしては、『
ギアスタジアム平成版』(
ゲームギア、
1995年)以来、約3年半ぶりの登場となりました。なお、
1996年には
ゲームボーイ版『
ナムコギャラリーVOL.2』に『ファミスタ4』が収録されています。
ゲームシステムは、プレイステーション版の『ワールドスタジアムEX』を基盤としています。そのため、同じモノクロ画面の
ゲームボーイ版ファミスタと比較すると、キャラクターの描画に違いが見られ、目が明確に描かれたスリムな体型の選手が登場します。また、多くのシリーズ作品で別画面に表示されがちな一塁・三塁走者が、投球・打撃画面と同時に表示されるようになった点も特徴です。イニング設定においては、『
ギアスタジアム』で導入された短縮設定が、1回、3回、5回、7回、9回の5パターンに拡張されました。スタメンの打順変更は可能ですが、控え選手との入れ替えはできません。DH(
指名打者)制度は採用されていません。
『ワンダースタジアム'99』は、基本的にオリジナル版と同様の内容ですが、
1999年シーズン途中の最新選手データが反映されている点が主な違いです。
ゲームモード
ゲームには複数のモードが搭載されています。
とことんやきゅう: 手軽にプレイできるモード。
オープン戦:1試合のみの対戦。
ペナント:リーグ戦形式で年間を通して戦う。
オールスター:4チームから選択して対戦。
とことんいくせい: オリジナルチームを育成するモード。
攻撃、守備、機動力の3タイプから一つを選び、チームを作成してペナントに挑みます。途中でエキシビジョンマッチが発生し、後述する隠しチームが登場します。
ホームランレース: 本塁打競争に挑戦するモード。10球を1単位として規定本数をクリアしていきます。
スコアブック: プレイヤー個人の成績を確認できます。
球場
ゲームでは、隠し球場を含む以下の4種類の球場を選択可能です。
シェルドーム: 開閉式の
ドーム球場。
人工芝で、両翼146m、センター135mと非常に広大なフィールドが特徴です。
アイランドスタジアム: 外野スタンドの向こうに海が見える野球場。
人工芝で、両翼100m、センター120mと平均的なサイズです。
つきみ球場: 宇宙空間に浮かぶユニークな球場。天然芝で、両翼92m、センター112mと狭く、本塁打が出やすい傾向があります。
ワンダーエッグ球場: ペナントモードのエキシビジョンマッチで勝利すると使用可能になる球場。ナムコがかつて運営していたテーマパーク「
ナムコ・ワンダーエッグ」がモチーフになっています。チェンジ時には『ドルアーガの塔』のエンディング曲の一部が流れるという特殊な演出があります。
チーム
初期状態では、
日本野球機構(NPB)加盟の12球団に加え、
ナムコスターズ、オリジナルズ(「とことんいくせい」モードで作成するプレイヤーチーム)を含む合計14球団が使用可能です。NPB各球団には、ペナントモードでの本拠地球場が設定されています。
隠しチーム
「とことんいくせい」モードのエキシビジョンマッチに登場し、勝利することで他のモードでも使用可能となる4チームです。
池袋ヤンチャーズ: 架空の
少年野球チームです。
ダイナミック関東: ギャル言葉のような名前の選手で構成されたユニークなチーム。『
スーパーファミスタ2』などに登場したダイナミック関西を彷彿とさせます。
アポロンズ: ナムコの
シューティングゲーム『
フェリオス』のキャラクターで構成されています。
キングオブキングス: ナムコの
ウォー・シミュレーションゲーム『キングオブキングス』のキャラクターが登場します。このチームが攻撃する際には、『キングオブキングス』のBGMが流れます。
オールスターチーム
「とことんやきゅう」モードのオールスター戦限定で選択できる編成です。
オールセントラル
オールパシフィック
オールイースタン(巨人、ヤクルト、横浜、西武、日本ハム、ロッテ)
オールウエスタン(中日、阪神、広島、近鉄、オリックス、ダイエー)
その他
ナムコスターズが攻撃する際、通常のBGMではなく『
スカイキッド』のテーマ曲が流れる演出があります。これは『
スーパーファミスタ2』など、他の
ファミスタシリーズでも見られた特徴的な演出です。