ワンダーボーイIII モンスター・レアー

ワンダーボーイIII モンスター・レアー

『ワンダーボーイIII モンスター・レアー』は、セガ（旧セガ・エンタープライゼス）が1988年にアーケードでリリースしたアクションシューティングゲームです。「ワンダーボーイ」シリーズの第3作にあたり、開発はウエストンが担当しました。アーケード版は「セガ・システム16(A)」基板を使用し、後に様々な家庭用ゲーム機にも移植されています。

概要

本作は、1987年に登場した『ワンダーボーイ モンスターランド』の続編であり、前作の主人公ブックの冒険が伝説となった時代が舞台です。プレイヤーは、主人公である男の子「レオ」と女の子「プラプリル」のどちらかを選び（2人同時プレイも可能）、侵略者から世界を救うことを目指します。シリーズの中でもシューティングゲームの要素が強く、アクションとシューティングの融合が特徴です。

開発はウエストンが手掛け、ディレクターは西澤龍一氏、プログラムは星崎直樹氏、音楽は前作に引き続き坂本慎一氏が担当しています。

PCエンジン版は、ゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューでゴールド殿堂入りを果たしました。

ゲーム内容

プレイヤーは1P側で「レオ」、2P側で「プラプリル」を操作します。レオは青い剣士、プラプリルは赤い魔法使いで杖を使いますが、ゲーム中の性能に差はありません。

システム

操作は8方向レバーと2つのボタン（ショット、ジャンプ）で行います。全14ステージで構成され、各ステージは前半のアクションパートと後半のシューティングパートに分かれています。

アクションパートでは、時間経過とともに体力が減少しますが、道中のフードや妖精の救出で回復できます。ジャンプで段差を乗り越えたり、2Pプレイでは協力して進むことも可能です。

シューティングパートでは、ドラゴンに乗って空を移動し、敵が放つ弾を避けながら進みます。ここでは体力の自動減少はありませんが、敵の攻撃を受けると体力が減少し、体力が尽きるとミスとなります。

武器アイテム

武器アイテムは、取得から10秒間のみ効果を発揮します。同じアイテムを取得すると効果時間が延長されます。ショットの色はキャラクターに準じます（ビッグファイヤーを除く）。

• - ノーマルショット：初期状態のショット。4連射が可能ですが、射程距離に制限があります。
• - スパイラル：自機の周囲を回転する刃を放ちます。威力は高いですが、攻撃範囲が狭いです。
• - ファイヤーボール：前後に火の玉を連射します。後ろへの射程距離は短めです。
• - レーザー：高速連射可能なレーザーを発射します。敵を貫通する効果はありません。
• - ミサイル：2連射のミサイルを発射します。着弾時に爆風が発生し、ダメージを与えます。連射速度は遅めです。
• - ワイドリング：距離に応じて分裂するリング状の弾を発射します。連射が可能です。
• - ビッグファイヤー：スパイラルの強化版で、自機の周囲を大小の火の玉が回転します。攻撃範囲が広く、強力な武器ですが、出現頻度は低めです。

移植版

各機種でタイトル表記に若干の差異が見られます。

PCエンジンCD-ROM²版

ハドソンより発売。アルファ・システムが移植を担当。アーケード版を忠実に再現し、CD-ROMの特性を活かして全14ステージを収録。BGMはCD-DAによる生演奏の豪華アレンジ版に差し替えられています。ボス戦前に武器の時間制限が無くなるなどの変更点もあります。

メガドライブ版

セガより発売。ROM容量の都合でステージ数が9に削減され、グラフィックもアーケード版から変更されています。

PlayStation 2版

『セガエイジス2500シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション』にアーケード版とメガドライブ版が収録。アーケード版の完全移植はこれが初となります。

アストロシティミニ版

復刻系ゲーム機にアーケード版が収録されています。どこでもセーブ機能も搭載。

スタッフ

(詳細はinputのアーケード版とPCエンジン版を参照)

評価

アーケード版は、ゲーメスト大賞で年間ヒットゲーム49位を獲得。

PCエンジン版は、ファミコン通信クロスレビューでゴールド殿堂入り。CD-ROMの読み込み速度やBGMが高く評価されました。

メガドライブ版は、ファミコン通信クロスレビューで24点（満40点）を獲得。



『ワンダーボーイIII モンスター・レアー』は、アクションとシューティングの要素が融合した、シリーズの中でも異色の作品として、多くのファンに愛されています。

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