ヴァルヴァードの戦い

ヴァルヴァードの戦い：南北戦争ニューメキシコ戦線における激戦

ヴァルヴァードの戦いは、1862年2月20日から21日にかけて、ニューメキシコ準州のヴァルヴァード周辺で繰り広げられた南北戦争の重要な戦闘です。この戦いは、ニューメキシコ作戦における連合国軍の大きな勝利となりましたが、その後の戦局に大きな影響を与えることになります。

戦いの背景

当時、連合国軍はテキサス州から進軍し、ニューメキシコ準州を支配下に置こうとしていました。連合国軍を率いたのはヘンリー・ホプキンス・シブレー将軍で、約2500名の兵力を擁していました。対する合衆国軍は、エドワード・キャンビー中佐が率いる正規兵とニューメキシコ北部からの志願兵、総勢3200名で構成されていました。

シブレー将軍は、リオグランデ川を渡り、クレイグ砦の北、ヴァルヴァード近くの浅瀬に進軍。連邦軍のクレイグ砦とサンタフェの本部との通信を遮断しようとしました。これに対し、キャンビー中佐は連合国軍の渡河を阻止するため、部隊を率いてクレイグ砦を出撃しました。

戦闘の経過

両軍はリオグランデ川を挟んで対峙しました。連合国軍は川岸の防御に適した場所に陣を構えました。キャンビー中佐は正面からの攻撃は困難と判断し、連合国軍の左側面に攻撃を仕掛けようとしました。しかし、キャンビー中佐の攻撃準備が整う前に、連合国軍が先制攻撃を開始。

連邦軍は騎兵隊で応戦しましたが、連合国軍は正面から攻め込み、連邦軍の砲兵隊6門を奪取、連邦軍の前線を突破しました。キャンビー中佐は部隊を再編成し、クレイグ砦への撤退を余儀なくされました。

連合国軍は援軍が到着し、シブレー将軍が再び攻撃を仕掛けようとした時、キャンビー中佐は戦死者と負傷者の収容のために停戦を求め、白旗を掲げました。シブレー将軍は紳士的にこれを受け入れ、一時的な停戦となりました。

戦いの結果と影響

ヴァルヴァードの戦いは、戦場を占拠した連合国軍が勝利を宣言しました。しかし、連合国軍も多くの死傷者を出し、その後の作戦に大きな影響を与えました。連合国軍はアルバカーキとサンタフェの占領を目指しましたが、物資不足のため数ヶ月後にはニューメキシコ準州から撤退せざるを得なくなりました。

連合国軍は、作戦の拠点であるテキサス州エルパソへ撤退。一方、キャンビー中佐率いる連邦軍は、その後新たな戦いを仕掛けることはありませんでした。この戦いは、戦略的には連合国軍の勝利であったものの、その後のグロリエタの戦いでの連邦軍の勝利につながり、最終的に連合国軍がニューメキシコ準州から撤退する要因の一つとなりました。ヴァルヴァードの戦いは、南北戦争におけるニューメキシコ戦線の重要な転換点となったのです。

戦いの意義

ヴァルヴァードの戦いは、戦術的には連合国軍の勝利でしたが、戦略的には大きな意味を持つものではありませんでした。しかし、この戦いは、ニューメキシコ戦線における両軍の勢力関係を示すとともに、後の戦局に大きな影響を与えました。連合国軍は、戦術的な勝利を得たものの、物資不足などの問題から、ニューメキシコ準州を維持することができませんでした。この戦いは、南北戦争における西部戦線の複雑さを物語る、重要な出来事の一つと言えるでしょう。

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