ニューメキシコ作戦

ニューメキシコ作戦：南北戦争における南軍の西部侵攻

ニューメキシコ作戦は、1862年2月から3月にかけて、南北戦争中にアメリカ南西部で展開された軍事作戦です。アメリカ連合国（南軍）のヘンリー・ホプキンス・シブレー准将が、コロラドの金鉱地帯とカリフォルニアの港湾を含む南西部の支配権を確立しようと、ニューメキシコ準州北部へ侵攻しました。この作戦は、アメリカ西部の支配を巡る争いと、南北戦争の戦線を大きく拡大させたという点で、南軍による最も野心的な試みの一つとされています。

作戦の背景

1861年夏、南軍はテキサス人部隊を率いてメシーリャを占領し、アメリカ連合国アリゾナ準州を設立しました。これは、カリフォルニアを含む西部全体を支配しようとする南軍の戦略の一環でした。しかし、南軍は砂漠を越えてロサンゼルスに進むことはできませんでした。
1862年の作戦は、この戦略の延長上にありました。長大な侵攻ルートを設定し、成功すればカリフォルニアを制圧し、西部を合衆国から完全に奪うことを目指していました。南軍の新たな戦略は、ロッキー山脈の東側を北上し、コロラド準州（当時ゴールドラッシュの最中でした）とオレゴン・トレイルの要衝であるララミー砦を占領した後、西部の鉱物資源が豊富なネバダ州とカリフォルニア州を攻撃することでした。

戦力

作戦における主要な戦力は以下の通りです。

合衆国軍（北軍）: エドワード・キャンビー大佐が指揮し、第一コロラド志願兵部隊のジョン・チヴィントン少佐らが参加しました。また、キット・カーソン率いる第1ニューメキシコ志願兵部隊も加わっていました。
アメリカ連合国軍（南軍）: ヘンリー・ホプキンス・シブレー准将が率いました。

サンタフェへの進軍

1861年12月20日、シブレー将軍はニューメキシコを連合国領として宣言しました。1862年2月、シブレーはリオグランデ川流域を北上し、準州の首都であるサンタフェとユニオン砦の合衆国軍の補給基地を目指しました。南軍はクレイグ砦を経由して川の西岸を移動しました。この砦にはキャンビー指揮下の約3,800名の北軍兵士が駐屯していました。シブレーは、北軍の戦力が大きいのを悟り、有利な条件で戦いを挑もうとしました。
2月19日、シブレーは、サンタフェへの北軍の交通を遮断する目的で、砦の東の砂丘に野営しました。翌20日、北軍は砦から進撃しましたが、南軍の激しい砲撃を受け撤退を余儀なくされました。21日、南軍は砦から北へ6マイルのヴァルヴァードの浅瀬まで移動しました。キャンビー率いる北軍はここを攻撃しましたが、体調を崩したシブレーに代わって指揮を執ったトーマス・グリーン大佐の南軍によって巧みにかわされました。キャンビーの部隊はクレイグ砦まで後退しましたが、降伏は拒否しました。

シブレーはクレイグ砦を迂回し、サンタフェへ向けて進軍を続け、3月10日に同地を占領しました。しかし、この進軍は3月26日から28日にかけて行われたグロリエタの戦いにおける北軍の反撃によって阻止されました。

ニューメキシコ作戦の意義

ニューメキシコ作戦は、南軍が西部への支配を拡大しようとした野心的な試みでしたが、最終的には失敗に終わりました。この作戦は、南北戦争の戦線を大きく広げ、西部地域における戦略的な重要性を浮き彫りにしました。また、この作戦の結果、南軍は西部への拡大戦略を断念せざるを得なくなり、南北戦争の趨勢にも影響を与えました。

関連項目

* メキシコ出兵

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