ヴァロワ＝アランソン家

ヴァロワ＝アランソン家

ヴァロワ＝アランソン家は、フランス王家ヴァロワ家の最古の分枝であり、庶流を除けば最も長く続いた家系です。一般的にはアランソン家とも呼ばれています。

成立

ヴァロワ家の祖であるシャルルは、ヴァロワ伯と同時にアランソン伯に叙せられました。シャルルの長男フィリップ6世は1328年にフランス王位に就き、ヴァロワ朝を創始します。一方、次男シャルル2世がアランソン伯を継承し、これがヴァロワ＝アランソン家の始まりとなりました。

百年戦争の時代

シャルル2世は百年戦争中の1346年、クレシーの戦いで戦死しました。孫のジャン1世はブルターニュ公ジャン4世の娘マリーと結婚し、伯から公に昇爵しますが、1415年のアジャンクールの戦いで戦死します。

ジャン1世を継いだ息子ジャン2世は、シャルル7世に忠実に仕え、シャルル7世も同世代のジャン2世を重要視しました。ジャン2世がアルマニャック派の首領であったオルレアン公シャルルの娘ジャンヌと結婚したことがその現れです。1429年にジャンヌ・ダルクが登場すると、ジャン2世は彼女の熱心な支持者となりました。ジャンヌの火刑後、一時的に下野を余儀なくされますが、母方の叔父アルテュール・ド・リッシュモンがフランス元帥に任じられて復帰しました。

リッシュモンは、アルマニャック派と対立していたブルゴーニュ派の首領フィリップ善良公を1435年のアラスの和約でフランス側に引き入れることに成功しますが、ジャン2世はこれに不満を持ちました。さらに、リッシュモンが軍制改革を行うと、ジャン2世はこれに反発し、1440年にブルボン公シャルル1世や義弟ジャン・ド・デュノワらと共に反乱を起こし、シャルル7世を廃位して王太子ルイ（後のルイ11世）を王位に就けようとしました（プラグリーの乱）。しかし、リッシュモンに予見され、反乱は失敗に終わります。ジャン2世は罪を許されたものの、後に投獄されました。1461年にルイ11世が即位すると、ジャン2世は釈放されますが、ルイ11世の中央集権化政策に反発して公的同盟に参加し、3度投獄され、1476年にそのまま没しました。

断絶とその後

ジャン2世の孫シャルル4世が1525年に早世したことで、ヴァロワ＝アランソン家は男子が絶えました（シャルル4世の妻マルグリット・ダングレームは再婚によりアンリ4世王の母ジャンヌ・ダルブレをもうけました）。しかし、シャルル4世の妹フランソワーズがヴァンドーム公シャルルに嫁いでおり、その血筋はブルボン王家やコンデ家に伝えられました。シャルル4世はまた、妻マルグリットの弟フランソワ1世の家系ヴァロワ＝アングレーム家の男子が絶えればフランス王位を継承しうる立場にありましたが、それもまたヴァンドーム公や長男アントワーヌに取って代わられ、アンリ4世の即位に至りました。

歴代当主

シャルル2世（1297年 - 1346年、アランソン伯：1325年 - 1346年）
シャルル3世（1337年 - 1375年、アランソン伯：1346年 - 1361年） - 1361年聖職に就き、弟ピエール2世に伯位を譲る。
ピエール2世（1340年 - 1404年、アランソン伯：1361年 - 1404年）
ジャン1世（1385年 - 1415年、アランソン伯：1404年 - 1414年、アランソン公：1414年 - 1415年）
ジャン2世（1409年 - 1476年、アランソン公：1415年 - 1474年）
ルネ（1454年 - 1492年、アランソン公：1478年 - 1492年）
シャルル4世（1489年 - 1525年、アランソン公：1492年 - 1525年）

関連項目

ヴァロワ家

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