ヴィルヘルム・ディートリヒ・フォン・ブッデンブローク

ヴィルヘルム・ディートリヒ・フォン・ブッデンブローク：プロイセン王国の元帥

ヴィルヘルム・ディートリヒ・フォン・ブッデンブローク（1672年3月15日 - 1757年3月28日）は、プロイセン王国の軍人であり、最終階級は元帥でした。騎兵隊に所属し、数々の戦場でその名を轟かせました。

生い立ちと軍歴の始まり

1672年、東プロイセンのティルゼミシュケンで、ヨハン・フォン・ブッデンブロークとエリーザベト・ゾフィー・フォン・ラッペの息子として生まれました。ブッデンブローク家は、ヴェストファーレンを起源とし、リヴォニア騎士団領を経て東プロイセンに移住した由緒ある家柄です。ケーニヒスベルク大学で学んだ後、1690年に第1胸甲騎兵連隊に少尉として入隊し、軍人としてのキャリアをスタートさせました。

大同盟戦争とスペイン継承戦争

入隊後すぐに大同盟戦争に従軍し、ネーデルラント戦線で戦いました。1692年のスタインケルクの戦いで重傷を負いながらも、翌年のネールヴィンデンの戦いにも参加しました。その後、スペイン継承戦争にもプロイセン騎兵の一員として参戦し、ラミイ、アウデナールデ、マルプラケといった主要な戦いで勇敢に戦いました。1710年に少佐、1712年には中佐へと昇進を重ねました。

大北方戦争と昇進

スペイン継承戦争後、プロイセンは大北方戦争に参戦し、ブッデンブロークの連隊もこれに従軍しました。1715年のリューゲン島攻略に携わった後、1718年に大佐に昇進。1720年には連隊指揮官となり、1724年には連隊長を引き継ぎました。1728年には少将に昇進しています。

フリードリヒ・ヴィルヘルム1世との交流

東プロイセンを訪れたフリードリヒ・ヴィルヘルム1世に気に入られ、中央に招かれて王の個人的歓談グループであるタバコクラブの一員となりました。行政職を与えられましたが、1730年の王太子フリードリヒ（後のフリードリヒ大王）の亡命未遂事件に居合わせた際には、王太子を護送するという任務を命じられました。この時、王太子を逃がしそうになったら殺せと命じられたという逸話が残っています。

王太子処刑問題とポーランド継承戦争

王太子の処刑問題では、ブッデンブロークは王を諫め、自らの上着を破いて「血が必要なら私の血を流せ」と進言しました。ポーランド継承戦争では、王太子が指揮官として派遣された軍に加わり、助言者の一人として活躍しました。1739年には中将に昇進し、黒鷲勲章を授与されました。

オーストリア継承戦争と元帥への昇進

フリードリヒ大王の即位後、オーストリア継承戦争が勃発すると、シュレージエン戦線に参加し、コトゥジッツの戦いでは右翼の騎兵軍団を指揮してオーストリア軍に突撃し、大王の評価を得て騎兵大将となりました。1745年1月には元帥に昇進し、ホーエンフリートベルクの戦いやゾーアの戦いでも右翼騎兵軍団を指揮して勝利に貢献しました。

戦後と晩年

戦争終結後、シュレージエン軍管区司令官となり、新たにプロイセン領となったシュレージエンの安定に尽力しました。1753年には、ヨハン・フォン・レーヴァルト、フリードリヒ・ヴィルヘルム・フォン・ドッソウとともに大王からダイヤモンド付の肖像メダルを授与されました。1757年3月28日にこの世を去りました。

家族

クララ・アンナ・カタリーナ・フォン・グリュターとの間に3男1女をもうけました。次男はコトゥジッツの戦いで戦死、三男のヨハン・ヨプスト・ハインリヒもホーエンフリートベルクの戦いで重傷を負いましたが、後に中将となっています。娘はブッデンブロークのいとこで元帥のエアハルト・エルンスト・フォン・レーダーと結婚しました。

ヴィルヘルム・ディートリヒ・フォン・ブッデンブロークは、プロイセン王国の発展に大きく貢献した軍人であり、その生涯は勇気と忠誠心に満ち溢れていました。

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