ヴォロ語

ヴォロ語（ヴォロご、ヴォロ語: võro kiil）は、エストニア南東部、歴史的なヴォルマー地域で話されている言語です。エストニア語ではヴォル語（võru keel）とも呼ばれます。フィンランド語やハンガリー語と同様に、ウラル語族のフィン・ウゴル語派に属しています。

ヴォロ語は、ヴォル人と呼ばれる人々によって、地域に根ざした言語として話されています。その話者数は約7万人と推定され、エストニアの首都タリンや学術都市タルトゥなど、エストニア各地にも居住しています。

ヴォロ語は、地域文化を色濃く反映しており、その維持と発展のために様々な取り組みが行われています。現在、エストニア国内の26の学校で、週に1回ヴォロ語の授業が開講されています。また、ヴォロ語のみで書かれた新聞「Uma Leht」が、月に2回発行されています。

ヴォロ語の文字はラテン文字を使用します。発音は、おおむねエストニア語と同じですが、いくつかの点で異なっています。例えば、文字「q」は声門閉鎖音を表し、「y」は狭中舌非円唇母音を表します。また、「ś, ń, ĺ, t́, ḱ, h́」のように、「´」が付いた子音字は口蓋化を表します。口蓋化は、アポストロフィーを用いて「s'」のように表記されることもあります。

ヴォロ語は、フィンランド語やハンガリー語と同様に、母音調和という特徴を持っています。母音調和とは、単語内の母音が一定の規則に従って調和する現象のことです。

ヴォロ語には、セトゥ方言が存在します。しかし、セトゥ方言の話者は、自分たちの言語をヴォロ語の一部ではなく、独立した言語（セトゥ語）であると認識している傾向があります。

言語名別称
Voro
Dialekt von Võru
Vôru
Võro
Võro kiil
Werro
Võru
Voru

外部リンク
Ethnologue report for language code vro （英語） - エスノローグ
Võro Instituut

ヴォロ語は、エストニアの言語的・文化的多様性を豊かにする重要な要素であり、その保護と振興が望まれています。

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